英語長文を速く読むコツは?音読とスラッシュリーディングの活用

この記事は5492文字です。
約5分で読めたら読書速度1200文字/分。

「模擬試験を解いていても長文の途中で時間切れになってしまう…」
「志望校の過去問演習を始めたらどう考えても時間が足りない…」
「英語の民間試験を受けても長文が長くていつもギリギリ…」
など、英語を学習している方なら一度でも感じた悩みではないでしょうか。

ここでは、『音読』と『スラッシュリーディング』の2つに着目して、英語を速く正確に読んでいくためのコツをお話しします。

一般社団法人 日本速読解力協会 理事 安田 哲

ライター

安田 哲

一般社団法人 日本速読解力協会 理事

約20年間にわたり首都圏大手進学塾の現場の最前線で、英語・国語を中心に指導。中学受験・高校受験の難関校への多数の合格者を輩出。科目の内容の指導だけでなく、家庭学習管理、生徒・保護者の皆様との面談を多数行う。大学院では言語学を専攻、英語以外の言語に関しても幅広い知識を有する。

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ことばの理解は「音読」からはじまる

一般的に、ことばは「音」から習得します。
「文字の読み方はわからないけれども文字を書くことができた」という人はおそらくいないでしょう。「発音できる/聞いてわかる」の段階を経て、文字の習得を始めたでしょう。
まずは「音読」に注目していきます。

音読できるから黙読できる

さて、次の文章(昔話『桃太郎』の冒頭部分)を読んでください。

むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんがいました。おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。おばあさんが川で洗濯をしていると川の上の方から大きな桃がどんぶらこどんぶらこと流れてきました。

今、これを読んでいる皆さんは上の文章を「音読」しましたか、それとも、「黙読」しましたか。多くの方が「黙読」をしたのではないでしょうか。
ある程度の年齢になると、「読む」ということは「黙読」であることがほとんどです。一方で、子どもたちにとっては「読む」というのは「音読」が一般的です。

黙読で意味を理解するためには、「音で理解できること」がベースにあります。
架空の文字で「◎△■」を見ても意味は分かりませんが、「この文字で書かれた言語は実は英語で、[ドッグ]という発音なんだ」と言われると、「◎△■」を見ると「犬」がイメージできます。同時に、「■△◎」は「神」の意味なのではないかという推測ができます。
このプロセスが「音が理解できると文字が理解できる」というイメージです。

黙読中の「心の中」では…

文章を黙読していても、ほとんどの場合、心の中では「音読」をしています。このことを「心内音読」や「subvocalization」などと呼び、程度に差はあるものの消すことは困難だと言われています。

少し例を出しますが、中学の前半で学習した cat / good / friend / enjoy / festival などは、脳内で音読することなく、文字を見ただけで意味が理解できるでしょう。
一方で、高校の教科書で出てくる procedure / convince / guarantee / generous / embarrassment などはどうでしょうか。まずはいったん脳内で音声化して、その意味を考えたのではないでしょうか。もしかしたら実際に「音声」にしようとした単語もあるかもしれませんね。
当然ですが、「音声」にしなくても意味が理解できた易しい単語の方が理解のスピードは速かったはずです。

ここまででわかることは、文字だけで黙読して意味を理解することはできず、どうしても「音」の力を借りなければいけないということです。

音読のスピードは黙読には勝てない

実際に試してみていただければと思いますが、先ほどの『桃太郎』の冒頭部分を「音読」「黙読」のそれぞれで時間を計測してみてください。どちらも、「なるべく速く読んで」という条件を追加します。

結果はどうだったでしょうか。「なるべく速く読んで」と言われても、きっと「音読」の方が時間がかかっているはずです。
音読でも、黙読でもスピードにはもちろん限界があります。ただ、音読のスピードが黙読を上回ることはありませんから、「文字を見る⇒音声化する⇒意味を理解する」というプロセスの「音声化する」という部分をいかに短時間で終えられるかがポイントになります。
また、先ほどの易しい英単語の例のように、「音声化する」の段階をスキップできれば黙読のスピードは格段にアップしていくでしょう。

スラッシュリーディングの活用

ここでは、スラッシュリーディングに着目して、どうやって英語を速く読めるようになるかを解説していきます。ここまでで触れた「音声化」を減らすためのポイントにもなります。
なお、スラッシュリーディングの「区切り方(スラッシュを入れる位置)」については、様々な考え方がありますので、ここでは特に触れないことにします。

「まとまり」で意味をとらえる

Can you believe that his brother has gone to NY?

という10語からなる文を次のように理解していてはどうしても時間がかかります。

Can / you / believe / that / his / brother / has gone / to / NY?
できる / あなた / 信じる / ~ということ / 彼の / 兄 / 行ってしまった / ~へ / ニューヨーク

上記のように、一語一語で理解するのではなく、次のような「まとまり」で理解するのがスラッシュリーディングです。

Can you believe that / his brother / has gone to NY?
~ということが信じられる? / 彼の兄 / ニューヨークへ行ってしまった

スラッシュリーディングで読むということは、「まとまり」を作り上げて、「まとまり」ごとに内容を理解していくということです。

「まとめる」ことで速く読める

先ほどの10語の文を最初は一つひとつ丁寧に意味を拾っていきました。スラッシュリーディングでは、3つのまとまりで読むことができました。
このトレーニングを積めば、英文を読んでいくスピードをあげることにつながるだけでなく、読まなければいけない語数も減らす(実際に減るわけではありませんが、読む「まとまり」の数を考えて…です)ことにつながると言えるでしょう。

いくつか練習をしてみましょう。(クリックすると答えを見ることができます)

She is as tall as her sister.
She is / as tall as / her sister.
彼女は / 同じくらいの背の高さ / 姉と
The window was broken by the strong wind.
The window / was broken / by the strong wind.
窓が / 割れちゃった / 強い風のせいで
I want you to help me with my homework.
I want you to / help me with / my homework.
君にやってほしい / 手伝って / 宿題を
This is the most beautiful flower in the garden.
This is / the most beautiful flower / in the garden.
これは / 一番美しい花 / 庭で
I'm looking forward to seeing you again soon.
I'm looking forward to / seeing you again soon.
楽しみにしているよ / 君にまたすぐに会えることを

返り読みしない習慣づけ

スラッシュリーディングをするときの重要な注意点として「返り読みしない」ことを挙げておきます。「返り読みしない」ということは、「文の頭から語順通りに読んでいく」「日本語の語順に置き換えない」ということです。
先ほどの例で言えば「~ということが信じられる?」というのを頭の中に保持したままで後半部分を理解していくイメージです。せっかくスラッシュリーディングで意味を「まとまり」ごとに把握できても、最後に日本語の語順に置き換えるのに時間を掛けていては、速く読むことにはつながりません。

ここでもいくつか練習をしてみましょう。( クリックすると答えを見ることができます )

The girl playing tennis over there is my cousin.
The girl / playing tennis over there / is my cousin.
女の子 / あっちでテニスをしている / 私のいとこです
My mother told me to clean my room.
My mother / told me / to clean my room.
母は / 私に言いつけた / 自分の部屋を掃除するように
This bag is too heavy for me to carry.
This bag / is too heavy / for me / to carry.
このかばんは / 重すぎる / 私にとって / 運ぶのは
I wish I could speak French fluently.
I wish / I could speak French / fluently.
~ならなぁ / フランス語を話す / 流暢に
I'm sorry for being late for the meeting.
I'm sorry for / being late for / the meeting.
申し訳ない / 遅れて / 会議に

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まとめ

「音読」で英語を音で理解する力・「スラッシュリーディング」で英文をまとまりで処理する習慣を身につけましょう!

  • 黙読して意味を理解する能力は、「音で理解できること」が土台になっている
  • 「文字を見る→意味を理解する」までの過程で、音声化にかかる時間を短くすることがポイント
  • スラッシュリーディングで英文を意味の「まとまり」ごとに捉え、読むスピードを上げる

黙読が遅くなる原因の多くは、頭の中での音声化に時間がかかっていることです。音読を続けて英語の音と意味を結びつけることで、黙読のスピードは自然と上がっていきます。また、スラッシュリーディングを使い、返り読みをせず語順のまま理解することで、速さと正確さの両方を高めることができます。
まずは短い英文から実践してみましょう!続けていくうちに、「時間が足りない」「最後まで読めない」といった悩みは確実に減っていくはずです。

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