小学校の英語教育の現状と課題は?中学進学前に取り組みたい英語学習
公開日:2023.03.08
最終更新日:2024.07.08
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2020年から新しい学習指導要領が適用され、英語が小学5・6年生で教科化されました。実際に教科として始まった小学校での英語授業は、どういった内容や学習量なのでしょうか。また、小学校から中学1年生に進学した際の英語授業はスムーズに行われているのでしょうか。
英語嫌いにならないためにも、家庭での英語勉強法や、小学生におすすめの英語教材もご紹介します。
目次
2020年から変わった小学校の英語教育
小学5・6年生で教科化された英語学習
小学校では2020(令和2)年度より新学習指導要領が全面実施されました。英語教育については「外国語活動」が小学3年生からに前倒しされ、「外国語」が小学5・6年生から教科化されました。小学5生からは英語を「読む」「書く」ことを学び、成績評価も行われます。
5・6年生「外国語」
「聞くこと」「話すこと(やり取り)」「話すこと(発表)」に加え、「読むこと」「書くこと」を教科として学ぶことで、コミュニケーションを図る基礎を育成する
今までは中学からだった英語の教科化を早めることで、段階的に英語に触れていくことができます。そうすることで苦手意識を軽減させ、中学校からの英語の授業をスムーズに進めるといった目的もあるようです。
「英語の勉強が好き」と答えた小学6年生が減少
2021(令和3)年度 全国学力・学習状況調査 調査結果資料の生徒質問では、「英語の勉強は好きですか」という質問に対し、小学6年生の31.5%が「あてはまらない」「どちらかといえば当てはまらない」と回答しました。
2013(平成25)年度の同様の質問では23.7%で、英語が好きではない生徒が増えているといえます。
新しい英語教育の問題点
小学校での授業時数が足りていない
2020年度から小学校では外国語の授業が合計140時追加されましたし。しかし、他の教科の時数は削減されていません。そのため、年間の授業時数を増やし、短縮授業やモジュール授業の活用をすることで、週2〜3コマ程度の外国語授業を実施するように工夫されています。
小学校で習得すべき英単語の数は600~700語になり、教員や子どもたちへの負担が大きくなっています。そのため、家庭でも英語学習の機会を増やすなど工夫が必要です。
学習進度の差が大きくなっている
令和3年度の調査では、小学校の英語教育は約56%を学級担任が行っています。英語の専任教師が担当している学級は約30%程度です。
また、CEFR B2レベル(英検®準1級)以上を取得している小学校教員は1.5%程度です。2020年度から新しく教科化されたため、現在の小学校教員の多くは教員養成課程で英語指導を学んでいません。
学校や、地域によっても英語教育への差が見られ、英語力の学習進度に格差が生じることが懸念されています。
中学校の授業では、小学校で習ったことを前提に授業が進むため、中学1年生から難しい語彙や表現が出てきます。中学の早い段階でつまずいてしまうと、これから続く英語学習に大きな差が出てきます。
中学で行われる英語の授業内容
中学で目指す英語レベルはどのくらい?
文部科学省の目指す英語力は、中学校卒業段階でCEFRのA1レベル(英検®3級)相当以上を達成する生徒50%以上にすることです。
2021年度英語教育実施状況調査では、CEFR A1レベル(英検®3級)相当以上を達成している中学生は47.0%でした。目標には達していないものの、着実に目標に近づいており、この数年で中学生の英語の到達レベルは上がってきていると言えるでしょう。
中学で学ぶ英語レベル
- 目標はCEFRのA1レベル(英検®3級)相当以上
- 習得語彙数は1600~1800語
- 「読む・書く・聞く・話す」の4技能をバランスよく習得
- これまで高校で習っていた仮定法や原形不定詞といった文法事項を学習
- 授業は英語で行うことを基本とする
中学の学習内容についていけない?!英語の中1ショック
小学校の英語と中学校の英語の大きな違いは、「書く」という作業が増える点と、「文法を学ぶ」という点です。
「書く」ことについては、小5・小6でも段階的に触れてはいるものの、中学校入学後は小テストや定期テスト等の場で綴りを正しく覚えて書くということが求められます。易しい単語でも「聞いたり話したりすることはできるのに書けない」という中1生がいるのも事実です。覚えるべき単語量が加速度的に増えていくというのも子どもたちが戸惑う要因となっています。
また、小学校では定型パターンの文の入れ替え練習を中心とした学習だったのに対し、中学校に入るとそれを「文法」という形で理解することが必要になり、いわゆる「英語の中1ショック」を産んでいると言えるでしょう。
小学5・6年生におすすめの英語学習
家庭でも英語に触れる時間を増やす
英語の習得には、英語に触れる機会をできるだけ増やすことが大切です。
英語の絵本やカードゲーム、英語の字幕で映画を見るなど、楽しく英語に触れられる機会を増やしましょう。
また、家庭でもアルファベットや単語を書く練習を行えるといいですね。
英語に触れる機会を増やすアイデア
- 英語の絵本を読む
- 英語のカードゲームで遊ぶ
- 英語の歌を聴く
- 英語の歌の歌詞を訳す
- 英語の字幕で映画を見る
- 英語の単語学習をする
読む・聴く力を鍛える速読聴英語トレーニング
日本速読解力協会の提供する速読聴英語講座では、パソコンやタブレットを使って読む・聴く力をバランス良く鍛えること ができます。
また、2023年2月にテキスト教材『PASSport』が発売されました。この教材は、速読聴英語講座のCourse Iに準拠しており、以下のような特長があります。
PASSportの特長
- 「書く」練習を徹底サポート
単語や本文を書く練習まで完結できます。 - 中学校入学前に知っておきたい英単語を幅広く網羅
文部科学省が提示する『小学校外国語活動・外国語研修ガイドブック』の語彙の80%以上を網羅しています。 - 読めばわかる文法解説
1人でも学習できるように、文法用語は最小限にとどめ、丁寧に解説しています。 - 定期テストや入試を意識した練習問題
将来の入試に向けてさまざまなタイプの問題を準備。模範解答付き。
「速読聴英語講座 Course I」は、英語の基礎を固めたい小学生や中学校1年生に最適な教材です。
「読む・聴く」を速読聴英語で鍛え、『PASSport』で「書く」「文法」「入試英語」を学習することで、将来につながる英語力を早い段階で身につけることができます。
速読聴英語トレーニング(Course Ⅰ)
テキスト教材PASSport
単語学習 文法の解説 書く練習 練習問題
まとめ
英語に苦手意識を持たないために、中学準備をしっかりとすることがおすすめ
- 2020年から小学5・6年生で英語が教科化
- 小学6年生の31.5%が英語の勉強が好きではないと回答
- 習得語彙数は小学校で500〜600語、中学で1600~1800語
- 中学で目指すレベルはCEFRのA1レベル(英検®3級)相当以上
- 授業時数が足りていないため、家庭でも読む・書く練習が必要
グローバル社会で活躍する人材を育てるため、小学校・中学校の英語教育は大きく変わりました。高校入試・大学入試ともに英語の長文化の傾向は続いており、これまでのような読解力だけでなく、スピーディーに文章を読む力も必要とされています。
中学生になって英語でつまずかないためにも、小学生の基礎をしっかりと学習しておくことが大切です。
この機会に、ぜひ速読聴英語講座でトレーニングを始めましょう!
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3・4年生「外国語活動」
「聞くこと」「話すこと(やり取り)」「話すこと(発表)」を通じて外国語でのコミュニケーション能力の基礎を学ぶ