小5からの中学受験は間に合う? 成功のための勉強法とやるべきこと3選

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「友達のあの子、実は中学受験するんだって!」
「あそこのお兄ちゃん、小5からでも中学受験合格したらしいわよ」
「公立中高一貫校は適性検査らしいわよ」
…などの会話を聞いて「我が家も今から始めてみようかしら…」と思ったものの「そもそも間に合うのかしら?」と不安になる方も多いかと思います。

中学受験のカリキュラムのことを考えると、少々厳しい話になってしまうのですが、ここではその理由と小5からでもスタートしようとする方のためのポイントをお伝えできればと考えています。

一般社団法人 日本速読解力協会 理事 安田 哲

ライター

安田 哲

一般社団法人 日本速読解力協会 理事

約20年間にわたり首都圏大手進学塾の現場の最前線で、英語・国語を中心に指導。中学受験・高校受験の難関校への多数の合格者を輩出。科目の内容の指導だけでなく、家庭学習管理、生徒・保護者の皆様との面談を多数行う。大学院では言語学を専攻、英語以外の言語に関しても幅広い知識を有する。

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私立中受験と公立中高一貫校受検、何が違う?

私立中では「入学試験」が行われる一方で、公立中高一貫校では「適性検査」が行われます(余談ですが、試験を受けるので私立中では「受験」と書き、検査を受けるので公立中では「受検」と書きます)。
簡単にその違いや近年の特徴についてまとめました。

私立中受験

まずは私立中です。
算数と国語の2教科、それに理科を加えた3教科、さらに社会が加わった4教科での入学試験が行われます。近年ではここに「英語」が5教科目として入るケースや、科目選択型で受験できるパターンなど多様化しています。同じ中学校でも「2科入試」の日程と「4科入試」の日程があるなど、さまざまな受験の仕組みがあるのが特徴です。
試験日程が重複しなければ複数の学校を受験できます。もちろん同じ学校の複数日程を受験することもできます。

出題される問題は、もちろん学校によってレベル差は存在しますが、小学校のレベルよりも高い問題が出題されます。
かつては重箱の隅をつつくような細かな知識を問う問題がありましたが、最近は知識は前提事項として、その運用力を試す問題が増えています。
記述型で出題される学校もあれば、選択肢で答える問題が中心の学校もあり、学校の数だけ特徴があるとも言えます。上位の学校では、過去には見たことのない「初見」の問題が多く出題され、中堅校になると典型題も増えてきます。

公立中高一貫受検

続いて公立中高一貫校です。
先にも述べた通り、科目の入学試験が行われるのではなく、「適性検査」という形で実施され、小学校で学んだことを活用する力が問われます。地域によっても異なりますが「文系の適性検査」では国語のような文章読解や作文の出題のほか、社会科で学ぶような地図や図表の読み取りなどが出題されます。「理系の適性検査」では理科に関する出題はもちろんですが、計算をして答えを出す設問も出題されます。私立中と異なり、一斉に実施されますので、一つの学校しかチャレンジすることはできません。

基本的には小学校で学んだことを活用して解くことになりますが、設問文を読んで、自分の中の知識と関連付けて考えて記述型の設問に答える適性検査がほとんどです。私立中の説明の中でも「初見」という言葉を使いましたが、公立中高一貫の出題は基本的に「初見」の問題ばかりだと考えてください。最低限の知識があることは前提として、記述力や思考力・処理力を磨いておかなければ満足できる答案を仕上げることは難しいのが公立中高一貫校と言えるでしょう。

私立中 公立中
科目数 2科~4科(+英語) 小学校で学んだこと
入試日程 1日~複数日程実施 1日のみの実施
解答形式 記号・記述など 記述形式が中心

適性検査型の私立中入試

近年の公立中高一貫校の広がりに伴って設置する学校が増えてきたタイプの入試です。
公立中高一貫校が1校しか受検できず、倍率も高いため、精一杯チャレンジをしても残念な結果になってしまう小6生のための入試形式とも言えます。すべての私立中で実施しているわけではありませんが、公立中高一貫校を目指すのであれば、志望する1校に絞り込むのではなく、「適性検査型の入試を実施している私立中」も選択肢の一つとして入れておくとよいでしょう。

小5からの中学受験スタートで知っておくべきポイント3選

小5から中学受験の勉強をする場合には、低学年から始める場合と異なる要素が多くあります。ここでは、特に知っておきたいポイントを3つお話しします。

小5からの中学受験スタートのポイント3選

ポイント①毎回のカリキュラム学習を定着させることが重要
ポイント②テストは「定着」と「ミスの傾向把握」に活用
ポイント③時間あたりの密度を高めていくことを意識

毎回のカリキュラム定着を!

近年の中学受験では小3の夏からスタートしてカリキュラム学習を進めるのが一般的になっています。初見の問題が増えるようになり、知識のアウトプットの時間が確保されているのがその大きな理由です。

小5からのスタートでは、そのカリキュラムも半分ほど進んでいることになりますから、毎回のカリキュラム学習を定着させることが極めて重要になります。「前に学習していたカリキュラムの部分はどうしよう…?」と心配になるかもしれませんが、まずは「目の前のカリキュラム」をきちんと消化することが最優先です。塾の講習会のタイミングなどで必要に応じて復習はあります。
また、塾の先生に聞けばどうしても未習のまま残ってしまう部分も教えてくれますので、それらは夏休みなどの時間の取れるときにキャッチアップできるようにすればよいでしょう。『二兎を追う者は一兎をも得ず』の諺の通り、まずは「今のこと」を優先してください。

テストは「定着」と「ミスの傾向把握」こそが大事!

小3からテストを毎週受けている子たちは小3・小4の2年間で80回近くのテストを受けています。そういった子たちと比べると、小5からスタートをした子たちは、そもそも「テストを受ける」ことに慣れていません。時間配分や解答のポイント、問題の取捨選択などもまだまだ「未熟」な状態ですから、テストを「評価」の素材として使うのは不適切です。テストは次の2つの活用方法を意識してください。

テストを受けるから定着する

授業を受けて頭の中で「わかった!」だけでは不十分です。最終的には入試の場で「アウトプット」しなくてはいけませんから、頭の中にあるものをしっかりと「外に出す訓練」をしなくてはいけません。その一番大事なものが「テスト」です。テストを受けることで、曖昧だった知識が定着します。最初の時点ではなかなか高得点には結びつかないと思いますが、テストで正解だった知識は「定着した知識」として自信を持つことができます。

テストで間違えた問題は、次のカリキュラムが始まるまでにしっかりと復習し、定着させるようにしてください。多くの場合、週末にテストが行われますので、翌週の授業が始まる前に定着させるのが理想です。ただし、誤ったすべての問題を復習することはできませんので、どの問題を復習するべきかは、テストの後に塾の先生に尋ねてみるとよいでしょう。

テストでミスの傾向を把握する

「いつも繰り下がりのある問題でミスをする」「いつも漢字の『てへん』でバツにされる」といったミスの傾向を把握することは、次に同じミスを繰り返さないために重要なことです。テストを受け始めてしばらく経つと、こういった「ミスの傾向」が見えてきます。この「ミスの傾向」がわかって、対策を立てていけば、いわゆるケアレスミスを減らしていくことが可能になります。

ただ、受験生と言ってもまだまだ12歳です。自分の答案をすべて客観的に見ることができるほど精神的に成長しきっているわけではありませんので、ケアレスミスはゼロにはならないものだとご理解ください。

メリハリのついた密度の濃い勉強を意識して!

ある程度カリキュラムも進んでいる、一方で入試本番までの時間は限られている状態ですから、時間あたりの密度を高めていくことを常に意識してほしいと考えます。

テキストに記載されているポイントを理解していくことはもちろんですが、解説されている文章を速く正確に読み取ることが必要です。
インプットの時間が半分になればその分を別の学習に充てることができます。近年では入試で出題される文字数は科目にかかわらず増えていますので、文章を読むスピードは速い方が有利です。
特に、公立中高一貫校の場合は、設問の条件も含めて読んで理解することが必要ですから、文章をどれだけスピーディーに正確に理解できるかは合否の分かれ目になるとも言えます。

目標設定とモチベーションアップも重要

中学受験は私立中でも公立中でも、平坦な道のりではありません。これは早くから始めても遅くから始めても同じです。壁には必ずぶつかりますし、親子の衝突もあることでしょう。
ただ、同じ目標に向かって一緒に取り組むことのできる中学受験でしか得られない貴重ない経験も多く含まれます。お子さまが「勉強がイヤだ」と感じるときも来るでしょうし、なかなか結果の出ない我が子の姿を見て「いっそのこと辞めた方が…」と感じるかもしれません。

そんな時に重要になってくるのが「目標設定とモチベーションアップ」です。
なるべく早い段階で目標となる学校を決めて、「憧れの姿」を想像しておくことで、モチベーションアップにもつながります。志望校の学校行事や見学会があったら、ぜひ親子でお出かけになってください。きっと明日からの学習姿勢が変わったと感じられることでしょう。

小5からの中学受験、向かう先は「嵐」かもしれませんが、ぜひ一歩を踏み出してみてほしいと考えています。

中学受験に役立つ!速読解力講座

中学受験は私立と公立で入試形式に違いがあることはご説明しましたが、どちらであっても「文章を正確に、速く読み解く力」は伸ばしておきたい力です。内容を理解するスピードは、学習の効率だけでなく本番の余裕にも直結します。

「速読解力講座」は、一人ひとりの読書速度に合わせた速読トレーニングを通して、速く正確に読み解く力を鍛えます。
読む時間を短縮することができれば、その分を考える時間や記述答案を作成する時間に回すことができるため、試験で非常に有利になります。

中学受験向け文章、時事問題なども搭載。速読解力を鍛えながら受験に必要な内容も学習していただけます。
開講している塾・教室からお近くの教室をお探しいただくか、オンラインでも受講が可能ですので、来るべき中学受験に向けた準備として、是非一度受講をご検討ください。

速読解力講座の「時事問題」が今春の中学受験で的中!

速読解力講座で扱った時事問題が、実際の入試問題で出題されました。
ここではその一例をご紹介します。

社会

[速読解力講座の文章]

インバウンドの増加にともなって、地域住民の生活や自然環境、景観などに重大な悪影響が出てしまう「オーバーツーリズム」の問題が顕著になってきています。富士河口湖町では、コンビニエンスストア越しの富士山の撮影に来た外国人観光客によるごみのポイ捨てや交通量の多い道路上での撮影、私有地への侵入などのマナー違反が多発したため、外国人観光客の来訪を抑える目的で、一時はコンビニエンスストア前の道路に黒い幕が設置されていました。そのほか、京都や鎌倉で深刻な混雑が発生しており、京都では、観光客のみバス料金を値上げするという対策をとっています。このように、各地でオーバーツーリズムへの対応に追われている様子がみられています。


[獨協埼玉中学校の出題]

日本にかぎらず世界中の特定の観光地において、多くの客がその地域を訪れることで、さまざまな問題が発生し、地域の人々に悪い影響がでることがある。この悪い影響にあてはまるものを、次のア~エのうちから全て選び、記号で答えなさい。

ア 交通渋滞の増加
イ 私有地への無断立ち入りの増加
ウ ごみの増加
エ 土産物店の利益増加

理科

[速読解力講座の文章]

次々と発生する積乱雲が列をなし、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞することでつくり出される、線状に伸びた強い降水域のことを線状降水帯といいます。一般的に長さ50kmから300km、幅20kmから50km程度になります。


[女子学院中学校の出題]

1時間あたりの降水量が80mmを超える猛烈な雨をもたらすこともある「線状降水帯」に関して、誤っているものをア~エから選びなさい。

ア 線状降水帯を形成する雨雲は、薄い雲が帯状に広がったものである。
イ 暖かく湿った空気が日本列島に流入しやすい梅雨や夏の時期に発生することが多い。
ウ 九州、四国などの西日本の地域で発生しやすい傾向がある。
エ 河川のはんらんや土地の浸水等の被害をもたらすことがある。

まとめ

小5からの中学受験を成功させるために、ポイントを押さえた学習計画を立てましょう!

  • 目の前のカリキュラム定着を最優先に学習を進める
  • テストを復習やミスの傾向把握のツールとして活用する
  • 限られた時間で成果を出すため学習の密度を意識する

小5からの中学受験は、限られた時間で膨大な範囲を網羅する必要があるため、効率的な学習が不可欠です。まずは「今」の学習を確実にこなし、テストを通じて弱点を克服する習慣をつけましょう。

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