【小学生】計算が速くなるとこんなに変わる!計算が遅い原因と対処方法
公開日:2025.12.11
最終更新日:2025.12.10
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小学生の計算スピードを向上させることは学力だけでなく、自信の向上や日常生活にも役立ちます。
計算が速くなるとどんな変化があるのか、なかなかスピードが上がらない原因と家庭でできる改善法をわかりやすく解説します。
目次
計算が速くなると、こんなに変わる!
計算が速くなると、勉強の成果だけでなく子どもの自信や生活の中での数字の扱い方にも良い変化が表れます。
具体的な変化の例を紹介します。
時間に余裕ができる
計算が速く正確にできるようになると、学校の授業やテストの時間配分に余裕が生まれます。
算数のテストは計算問題だけでなく文章問題や図形問題など、多様な形式で出題されます。
計算に時間を取られすぎると、せっかく理解できている文章問題を解く時間が足りずに点数を落としてしまうこともあるかもしれません。
計算スピードが速いと、応用問題に取り組む時間をしっかり確保できます。
日々の授業でも「問題を解くスピードが速い=余裕を持って考える時間を確保できる」という良いサイクルが生まれます。
実際に、テストで「最後の問題まで解けなかった…」と悔しがる子も少なくありません。
そんな時、「計算をもう少し速くできると、残った時間でじっくり考えられるね」と声をかけてあげると、「よし、もっと練習しよう」と前向きに取り組むきっかけになるかもしれません。
算数に自信がつく
小学生にとって計算は算数の土台です。九九や筆算が速くできると、成功体験から「自分は算数が得意だ」という自信を持つことにつながります。
一方で、計算に時間がかかる子は「自分は算数が苦手なのかも」と不安を感じることがあり、その不安が算数全体への苦手意識につながることも少なくありません。
自信は学習意欲を引き出す大切な要素です。
計算スピードの向上は技術的な成果だけでなく、「できた!」という成功体験を積み重ねることで学びへの前向きな気持ちを育てることにつながります。
日常生活にも役立てられる
計算は学校の勉強だけでなく日常生活でも役立ちます。
例えば、買い物でおつりを計算したり、料理で材料の分量を測ったり、出かける時間を逆算したりするときなど、数字を使う場面は意外と多いですよね。
小学生の時に計算のスピードと正確さを身につけることで、自然と日々の生活の中で数字に強くなっていきます。
これは、数字に対する苦手意識がなくなることで、将来的に理科や社会、家庭科など他の教科でもスムーズに理解できる助けになります。
計算が速くなるための3つのトレーニング法
子どもが計算をスムーズに解けるようになるには、効率よく続けられるトレーニング方法を知ることが大切です。
ここでは、具体的なトレーニング法を3つご紹介します。
繰り返し計算練習をする(量と慣れ)
計算スピードを上げる基本は「反復練習」です。
特に低学年のうちは、同じ形式の問題を繰り返し解くことで、自然と手が動くようになります。
最初は時間がかかっても、毎日コツコツ練習することで処理スピードは確実に上がります。
ポイントは一度に大量にやらせるのではなく、短時間で集中して練習を積み重ねることがポイントです。
10分程度の集中練習を習慣化するほうが効果的です。
タイムを計測して「昨日より速く解けたね」と声をかけると、子どものやる気も高まります。
数のまとまり・パターンを覚える(10・100になる組合せ)
計算が速い子は「数のまとまり」を意識して計算しています。
例えば「7+3=10」「25+75=100」など、端数を組み合わせてきれいな数字にするコツを覚えることで、暗算スピードはぐんと上がります。
こうした数の感覚は、ただドリルを繰り返すだけではなかなか身につきません。
日常生活の中で「お菓子を3つと7つで合わせて10個だね」など、会話の中で自然に取り入れると効果的です。
数をただの記号として覚えるのではなく、まとまりのあるかたちとして捉えることが、スピードアップの近道です。
慣れてきたら、「ここにある6個のお菓子に、あといくつあると10個になる?」のような問いかけにレベルアップしても良いでしょう。
法則を使って簡単に考える
算数の計算には効率よく解ける法則があります。
例えば「12×5」を暗算するとき、「10×5」と「2×5」にわけて考えることができます。
これは分配法則を使った解き方です。
「10×5=50」「2×5=10」となり、足して答えは60となります。
簡単に速く計算ができ、成功体験につながります。
「25×4=100」や「125×8=1000」のようなセットを数多く知っておくことも効率よく解くことにつながりますね。
かっこを使った計算だと、結合法則も役立ちます。
たし算やかけ算は順序を変えても計算結果は変わりません。例えば、「(2 + (3 + 5))」という計算は「((2 + 3) + 5)」と同じ計算結果になります。
このように数をグループ分けして計算することで、特に大きな数字を扱う時に計算を分かりやすい順序で進めることができ、理解しやすくなります。
これらの法則を理解して計算することは、スピードと正確さを両立させるポイントです。
計算が遅くなる原因とは?

「なぜうちの子は計算が遅いのだろう?」という疑問には、いくつかの典型的な原因があります。
代表的な例を紹介します。
計算量が足りていない
計算が遅い子の多くは、単純に練習量が不足しています。
スポーツと同じで、基礎的な反復を重ねることではじめてスピードが身につきます。
計算の遅さから「うちの子は頭の回転が遅いのかも」と心配する前に、まずは計算に触れる時間を増やしてみましょう。
特に低学年のうちは数を扱う経験が少ないため、日常的に数字に親しむ環境づくりが大切です。
子どもが「ゆっくりやらないと間違えるから…」と不安そうに言うときは、「大丈夫、いっぱいやれば自然に速くなるよ」とはげましてみましょう。
途中式を省略してミスをしている
「速く答えなきゃ」という気持ちが強すぎると、途中式を省いてしまい、かえってミスが増えて遅くなるケースがあります。
子どもにとっては「答えを速く出すこと=賢い」と思いがちですが、実際には途中の確認を怠ることでやり直しが増え、時間のロスにつながります。
また、焦って書いた途中式の字が汚くなり、それを読み間違えて答えを間違えることもありますので、この点にも注意が必要です。
大切なのは、正しい手順を身につけてからスピードを意識することです。
まずは確実さを優先し、その後で徐々に速さを意識するようにしましょう。
基礎(繰り上がり・九九など)の理解不足
計算の基礎があやふやなままでは、スピードアップは望めません。
特に繰り上がりや繰り下がり、九九の定着が不十分だと、いくら練習しても時間がかかってしまいます。
基礎を飛ばして応用に取り組ませるのではなく、基礎に戻って復習することが必要な場合もあります。
「九九カード」や「繰り上がりの練習プリント」などを使って基礎を固めることを意識しましょう。
家庭でできる工夫や習慣づくりのヒント
毎日の家庭学習での工夫次第で、計算は速くなっていきます。
楽しく取り組める習慣づくりが大切です。
計算アプリやタイマーを使ってゲーム感覚にする
子どもにとって「勉強=退屈」と感じると継続が難しくなります。
そこで役立つのがアプリやタイマーです。
計算アプリを使えば、ゲーム感覚で問題を解けるためモチベーションが維持しやすくなります。
また「1分で何問解けるか」などタイマーを使った取り組みは、挑戦意欲を刺激し、自然とスピードアップにつながります。
「昨日より3秒速くできた!」と子どもが喜べば、親も「やったね、記録更新だ!」と盛り上げることもできますね。
一緒に声をかけながら取り組む
親がそばで見守り、声をかけながら取り組むと子どもは安心して集中できます。
「あと少しで10問だね」「昨日より速くなったよ!」と小さな達成を認めることで、継続する力が育ちます。
勉強を「やらされること」から「一緒に頑張れること」に変える工夫が効果的です。
1日5分でOK!など具体性を出す
「毎日2時間やりなさい」と言われると嫌になるのは大人も同じです。
最初から長時間を求めるのではなく、「1日5分」など短時間で具体的な目標を設定することが続ける秘訣です。
「今日は5分だけ頑張ろう」と声をかけると、「それならできそう!」と子どもも安心して取り組めます。
達成できるハードルを低く設定すれば、自然と習慣化し、気づけば長く取り組めるようになります。
特に、計算練習の場合には、なるべく分散させて学習することで、学習の習慣化と短時間の集中力アップにつながると言えるでしょう。
算数的思考力講座の紹介

算数的思考力講座では、思考問題の基本パターンを習得しながら、どのような問題に直面しても、深く考え抜いて解決する力を養成していきます。
基礎となる計算を瞬時に処理できる力を伸ばし、その土台をもとに、より高度な思考力問題に挑戦します。
反復と実践で本格的な「考える力」を育みます。
計算トレーニングでは、整数の計算から単位換算や割合計算など、約40のカテゴリの計算問題でパターンを習得し、反復により速度の向上を目指します。
総合的な思考力を身につけ
算数・数学が得意に
こんな小学生におすすめ!
- 算数や数学の文章問題を得意にしたい
- 図や表のある問題に取り組みたい
- 成果を実感しながらトレーニングしたい
- 計算の速度を向上させたい
まとめ
計算スピードの向上は算数への自信にもつながる!
計算の練習量を増やすことがポイント
- 計算スピードが上がると学習効率と自信が高まる
- 遅さの原因は「練習不足・省略・基礎理解不足」が多い
- 家庭では短時間×楽しい工夫で習慣化を促すことが大切
小学生の計算スピードは、学力だけでなく算数への自信や生活にも影響があります。遅さの原因を理解し、家庭でできる工夫を取り入れることで、子どもは楽しみながら力を伸ばせます。大切なのは「無理なく続けること」。小さな成功体験の積み重ねが、大きな自信につながります。

監修
安田哲
一般社団法人 日本速読解力協会 理事
約20年間にわたり首都圏大手進学塾の現場の最前線で、英語・国語を中心に指導。中学受験・高校受験の難関校への多数の合格者を輩出。科目の内容の指導だけでなく、家庭学習管理、生徒・保護者の皆様との面談を多数行う。大学院では言語学を専攻、英語以外の言語に関しても幅広い知識を有する。



