【2025年度】公立高校受験・国語文字数第1位は?問題の分析と対策

この記事は6407文字です。
約5分で読めたら読書速度1200文字/分。

高校入試問題は、学習指導要領が変わったことや、大学入試改革などの影響を受けて大きく変化しています

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この記事では、2025年度の公立高校入試における各地域の国語の問題について、集めたデータをもとに文字数や試験時間を調査した結果を掲載します。
一部都道府県については問題の分析も行いました。

【2025年度】公立高校入試・国語文字数調査

2025年に実施された公立高校入試の国語の文字数を調査しました。

※一部複数受験日含む41都道府県データ(SRJ調べ)

全国の文字数平均

地域によって試験時間が異なりますが、平均試験時間は約50分、問題全体の文字数は約9,480文字という結果になりました。
2024年度は約9,670文字でしたので、やや減少しています。

気を付けなければいけないのは、入試では問題を読むだけでなく、解いて解答用紙に記入しなければならないということです。
入試などでは、解く時間を全体の試験時間の約6割確保する必要があると言われています。これらを踏まえると、以下のようになります。

試験時間平均50分のうち、解く時間を約6割とすると30分、残りの20分が読む時間となります。

9,480文字を20分で読み切るには、1分間に約474文字読む必要があります。
しかし、見直す時間の確保や、読み直しをすることを考えると、さらに速く読む必要がありますね。

1分間に読める文字数ってどのくらい?

文字数調査では、1分間に約474文字読む必要があるという結果になりました。
中学生の読むスピードは1分間に平均500~700文字と言われていますが、自分の読むスピードを知っていますか?

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【2025年度】公立高校入試・国語文字数ランキング

今回の調査で、文字数が一番多かったのは神奈川県、次いで東京都、埼玉県という結果になりました。ランキングは以下の通りです。
目標読書速度は、解く時間を6割確保し、さらに読み直し等を考慮して2回問題文を読むと仮定した場合の読書速度です。

ランキング 都道府県 総文字数 試験時間 目標読書速度
1 神奈川県 17,938 50 1793.8
2 東京都 13,622 50 1362.2
3 埼玉県 13,343 50 1334.3
4 兵庫県 12,642 50 1264.2
5 茨城県 12,596 50 1259.6
6 山梨県 12,573 45 1397.0
7 鳥取県 12,219 50 1221.9
8 沖縄県 11,756 50 1175.6
9 島根県 11,374 50 1137.4
10 岡山県 10,898 45 1210.9

上位3位は昨年度と変化はありません。
1位の神奈川県は文字数が多く、総文字数は2位の東京に比べ4,000文字以上多い結果となりました。

国語は都道府県ごとで試験時間に大きな差はないため、総文字数と1分あたりに読む必要がある文字数のランキングはほぼ同じになっています。

文字数1位は神奈川県

今回の調査の中で文字数が一番多い神奈川県は総文字数が約17,938文字でした。
昨年が18,381文字でしたのでやや減少しています。
昨年も神奈川県は1位で、2位より約4,000文字多い結果でした。

試験時間が50分のうち、解く時間に6割使うことを考えると、最低でも1分間に約897文字読む必要があります。
読み直し等を考慮すると、1分間に約1794文字を読むことができるのが理想的です。

今後の高校入試の文字数はどうなる?

文字数の全国平均約9,480字は、例年とほとんど差はありません。
文字数が多い都道府県は選択問題が多く、文字数が少ない都道府県は記述問題が多い傾向にあります。
文字数が少ない都道府県では時間のかかる記述問題に少しでも多くの時間を確保したいため、どの都道府県においても速く正しく読み取る力が求められると言えるでしょう。

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【2025年度】各都道府県の分析

一部都道府県の試験内容の分析を行いました。

北海道

問題番号 内容 配点 問題数
1 漢字・語句・文法・古文 28点 10問
2 説明的文章 36点 9問
3 資料 16点 4問
4 資料 20点 5問
文字数8,595文字(全国26位)

全体の問題構成が大きく変化し、[1]漢字・語句・文法・古文、[2]説明的文章、[3]資料、[4]資料という出題形式でした。
今年が説明文の出題であったため、これまでの傾向から来年は物語文が出題される可能性が高いといえます。来年度も出題形式が変わる可能性が高いため、試験当日に出題形式が変わっていても焦らないよう想定しておくとよいでしょう。

神奈川県

問題番号 内容 配点 問題数
1 漢字・韻文 20点 9問
2 物語的文章 24点 6問
3 説明的文章 30点 9問
4 古典 16点 4問
5 複数資料を用いた問題 10点 2問
文字数17,938文字(全国1位)

[1]漢字、[2]物語的文章、[3]説明的文章、[4]古典、[5]資料問題という5題構成は昨年度同様。
[5]の資料問題は昨年度と同様の形式で、「2つの短文」「メモ」「まとめ」といった複数資料を参照して設問に答える問題が出題されました。
神奈川県は全国でもトップクラスに文字数が多いため、特に物語的文章/説明的文章ではスピーディーに本文を読み進める必要があります。
少なくとも直近2年分の過去問を研究し、解き方を身に着けておきましょう。

千葉県

問題番号 内容 配点 問題数
1 聞き取り問題 6点 3問
2 漢字(読み) 8点 4問
3 漢字(書き) 8点 4問
4 説明的文章 23点 8問
5 文学的文章 23点 8問
6 古典 20点 7問
7 作文 12点 1問
文字数10,104文字(全国15位)

問題の構成は、[1]聞き取り問題、[2][3]漢字、[4]説明的文章、[5]文学的文章、[6]古典、[7]作文という7題構成で例年と変更ありませんでした。
文章量は全国平均よりやや多いという程度だが、聞き取り問題で時間をとられることを考えると、文章はスピーディーに読み進める必要があります。説明的文章、文学的文章の設問は標準的な難易度です。古典では漢文の問題が1問出題されるため、漢文の対策も必要です。また、主語判断の問題も出題されやすいため、日ごろから訓練しておくことをおすすめします。

東京都

問題番号 内容 配点 問題数
1 漢字(読み) 10点 5問
2 漢字(書き) 10点 5問
3 物語的文章 25点 5問
4 説明的文章 30点 5問
5 古典 25点 5問
文字数13,622文字(全国2位)

[1]漢字(読み)、[2]漢字(書き)、[3]物語的文章、[4]説明的文章の読解と作文、[5]和歌に関する複数の文章の読解で、構成は例年どおりです。
出題構成や難易度は例年あまり変化がないため、過去問演習が有効です。作文では、「具体的な体験や見聞も含めて」という条件がつくため、日常生活や社会で起こる出来事へのアンテナを高くし、自分の言葉で表現する練習をしておきましょう。

埼玉県

問題番号 内容 配点 問題数
1 物語的文章 26点 5問
2 漢字・語句・文法 / 資料 24点 10問
3 説明的文章 26点 5問
4 古典 12点 4問
5 作文 12点 1問
文字数13,343文字(全国3位)

問題の構成は、[1]物語的文章、[2]漢字・語句・文法と資料問題、[3]説明的文章、[4]古典、[5]作文という5題であり、昨年と変更ありません。
文章量が全国平均以上であることに加え、記述問題の出題が多いため時間の余裕はないといえます。文章の内容は難解ではないですが、全問を解き終えるためにはスピーディーに読み進める必要があります。また、記述問題には部分点がつくため、手を付けないのではなく、わかる範囲で解答することを心がけましょう。

愛知県

問題番号 内容 配点 問題数
1 説明的文章 7点 6問
2 漢字・語句 3点 3問
3 物語的文章 8点 8問
4 古典 4点 4問
文字数10,003文字(全国18位)

[1]説明的文章、[2]漢字・語句、[3]物語的文章、[4]古典という大問構成は昨年度と変更ありませんでした。記述問題の出題はなく、漢字・語句も含めて全て選択問題でした。また、出題傾向についても概ね例年どおりでしたが、全体の配点に多少の変化があったことが変更点として挙げられます。
マークシート形式になって以来、例年大幅な変更はないため過去問の研究や対策をしましょう。

大阪府[B]

問題番号 内容 配点 問題数
1 説明的文章 21点 5問
2 古典 16点 4問
3 漢字・文法 14点 9問
4 説明的文章 21点 5問
5 作文 18点 1問
文字数5,579文字(全国41位)

問題の構成は、出題順は昨年度と異なりますが、漢字、説明的文章2題、古典、作文という4題に変更ありません。大阪B問題は毎年出題順が入れ替わる傾向があります。
例年どおり記述問題が多いため、全体の時間配分を考えて進める必要があります。過去問演習によって時間配分を事前に設計しておくと良いでしょう。また、作文の配点が18点と非常に高いため、意見文を書く訓練は必須です。日ごろから国語によらず幅広い知識を身につけるために、読書をする、新聞を読むなどし、さらに自身の考えをまとめる作業を続けることで対策をしておきましょう。

兵庫県

問題番号 内容 配点 問題数
1 資料 20点 8問
2 漢文 12点 4問
3 古典 13点 5問
4 文学的文章 27点 12問
5 説明的文章 28点 11問
文字数12,642文字(全国4位)

問題の構成と大問数は例年通りです。
記述問題や作文はないですが、全国のなかでも文字数が多く、適切に時間配分を考えて進める必要があります。また、説明的文章や文学的文章では1つ1つの選択肢が長いという特徴があるため、文章を正確に読むだけでなく、選択肢を正しく読み取り、正解を導き出す訓練が必要です。漢字・語句・文法・表現技法などの国語の基礎知識も出題されるため、日々の学習のなかで国語の知識をつけることも意識すると良いでしょう。

福岡県

問題番号 内容 配点 問題数
1 説明的文章 12点 6問
2 文学的文章 21点 12問
3 古典 12点 7問
4 作文 15点 6問
文字数8,299文字(全国29位)

問題の構成は、[1]説明的文章、[2]文学的文章、[3]古典、[4]作文という4題であり、例年と変更ありませんでしたが、問題数は全体で2問減少しました。
急いで読まなければ解き終わらないほどの文章量ではありませんが、知識だけでなく、表現力や文章力が求められる問題に対して適切に時間配分を考えて進める必要があります。作文に関しては、自分の知識や経験を土台として書くことが必要なため、日ごろから国語によらず幅広い知識を身につけるために、読書をする、新聞を読むなどし、さらに自身の考えをまとめる作業を続けることで対策をしておくと良いでしょう。

文章量・文字数増加への対策は?

高校入試では、限られた時間で非常に多くの文章を読み進めなくてはいけません。
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まとめ

2025年度の公立高校入試の国語の文字数 全国平均は約9,480文字

  • 文字数1位は神奈川県の17,938文字!次いで東京都の13,622文字、埼玉県の13,343文字
  • 文字数が多い都道府県は選択問題が多く、文字数が少ない都道府県は記述問題が多い傾向
  • 都道府県ごとに全体の構成が異なるため、受験する都道府県の傾向に合わせて対策することが必要

入試では単純に問題を読むだけでなく、解いて解答用紙に記入する時間も必要です。国語の文字数は例年とほとんど差はありませんが、見直しや読み直しの時間も確保するために速く正しく読み取る力は鍛えておきたいですね。

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