2024年度実施 大学入学共通テスト 英語 語数を分析 3年連続6,000語超え

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2024年度実施 大学入学共通テスト 英語 語数を分析 3年連続6,000語超え

2024年度(令和6年度)大学入学共通テストが、2024年1月13、14日に行われました。リーディングでは3年連続で6,000語を超え、リスニングでは今年も非英語母語者が混じる会話や、グラフや図と絡めた出題がみられ、総合的な英語力が問われました。

ここでは、大学入学共通テスト英語リーディング、リスニングの語数カウント結果と分析を掲載します。(SRJ調べ)

英語:リーディング 分析

多様なジャンルの出題、大問5は本格的な英文小説の読解

全体の語数は昨年度よりも150語以上増加しました。
3年連続で6,000語を超える形となり、センター試験時代の約1.5倍の語数での出題が定着したと言えそうです。

出題形式や配点の変更はありませんでしたが、難易度は昨年度よりやや難化。学校行事などの身近な題材から、時間の知覚についての説明といったものまで幅広い内容の英文から出題されています。図や表、イラストを使った問題も多く、英文をスピーディーに読み取ったうえで、複数の情報源から解答を導き出す力が必要とされています。

2024年実施 大学入学共通テスト(英語:リーディング)

英文の内容をノートや資料にまとめる問題も変わらず出題されており、また選択肢の英語が本文とは異なる表現を用いて言い換えられていることも多いため、同じ内容を英語で言い換える表現や、英語を英語で理解する力は必要であると言えます。

大問5の物語文では、国語の文学的文章の読解のような設問も出題され、これまでよりもさらに英語の力が身についているかどうかを試す出題であったと言えるでしょう。

時間内に読解するためには150wpmが必要

高校生の平均読書速度75wpmで読んでいては、読むだけで時間が足りなくなってしまいます。そのため、受験には約2倍の150wpmの英語を読むスピードが必要となります。

英文の内容をノートや発表用資料にまとめる問題も変わらず出題されていて、英語を英語のまま処理していく力も求められています。

※wpmとはwords per minuteの略で、1分間に読めるワード(単語)数のことです。

英語:リスニング 分析

問題用紙の英文やグラフをスピーディーに読み取る力が必要

出題形式や再生回数、マーク数など、昨年度と変化はありませんでした。

イラスト・表・グラフなどを含む問題が多く出題されているのもこれまでと同様です。音声を聴いて内容を正しく理解することと、問題用紙に与えられている英文やグラフなどをスピーディーに読み取って解答することが必要とされています。

そのためにも音声が流れる前に情報を素早くインプットしてから英語を聴き取ることが出来れば理想的です。

2024年実施 大学入学共通テスト(英語:リスニング)

再生1回の割合は約6割、リスニング力が試される

読み上げ語数は1,575語で、昨年とほぼ変わりませんでした。
今回もアメリカ英語だけでなくイギリス英語や日本人と思われる非母語話者の英語が含まれていました。1回の再生で聴き取るリスニングの配点が6割となっており、高いリスニング力が求められています。

来年度以降の受験生の皆さんへのアドバイス

高1、高2生は今から長文読解・リスニング演習を始めよう

リーディングの語数は6,000語を超える出題が定着したと言えるため、今後も英文を速く読むことに慣れておく必要があるでしょう。

正解を導き出す際にも、単に本文中から該当する情報を見つけ出すだけではなく、複数の情報を整理したり、話の流れや状況をきちんと理解する力が必要となる問題が多くなっています。まとまった量の英語を読んだり聴いて理解することに今のうちから慣れておくようにしましょう。

また、問題の選択肢はすべて英語であり、選択肢で使われる英語表現が本文の英語を言い換えたものになっている場合が多いです。日ごろから幅広い英語表現に慣れ親しんでおくとよいでしょう。

まとめ

語数は3年連続6,000語超え、速く正確に読む・聴く力が求められる

  • リーディング総語数は6,292語と昨年比約150語増。難易度はやや難化
  • リスニングは大問3から再生回数1回
  • リスニングでもイラストや図表の読み取りがあり、情報整理力が必要

6,000語を超えるリーディングの出題や1回再生のリスニングはすっかり定着したと言えるでしょう。
それだけではなく、ただ必要な情報を本文から見つけ出すだけでは解けないような問題も多くなっており、高得点を取るためには速く正確に読む・聴く力が必要不可欠です。
簡単に身に付けられるものではないので、受験本番に向けて、今のうちからたくさんの英語を読んだり聴いたりすることに慣れておくようにしましょう。

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