朝読書って効果あるの?メリットや習慣化する方法もご紹介

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子どもが小学校に入学して「朝読書」という言葉を初めて聞いたという方が多いでしょう。
全国の8割以上の小学校で時間割に朝読書が組み込まれています。

今回は、朝に読書をする意味と朝読書の流れ、そして家庭で朝読書を習慣化する方法をご紹介します。

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朝読書とは

朝読書とは「朝に読書をする活動」のことです。
千葉県の二人の高校教師(林公氏、大塚笑子氏)が1988年に提唱し、今では全国の学校に朝読書の活動が広がっています。

参考:朝の読書|社会活動|株式会社トーハン

朝読書は文部科学省が推進する読書活動のひとつ

文部科学省は学校での読書活動を推進していて、以下のように定義づけています。

読書活動は,子どもが,言葉を学び,感性を磨き,表現力を高め,創造力を豊かなものにし,人生をより深く生きる力を身に付けていく上で欠くことができないものです。

2001年、読書活動の推進の施策推進していくために、「子どもの読書活動の推進に関する法律」を公布・施行しました。
そして読書活動の推進の一環として、朝読書が全国の学校で始まりました。

小学校の8割以上で実施されている朝読書

小学校の8割以上で朝読書が実施されていますが、どのようにして進められているのでしょうか。

学校での朝読書で大切にしていること

朝読書は、全校一斉で毎朝実施すること、そして先生も教室で一緒に読むことを基本とすること、そして4原則を守りながら実施するよう提示されています。

朝読書の4原則

  1. みんなでやる
    生徒と教師全員が同じ時間に同じ条件で取り組む公平さが基本
  2. 毎日やる
    1日10分という短い時間でも、毎日行うことで生徒の読む力を育む
  3. 好きな本でよい
    読む本を子ども自身に選ばせることは自分発見につながり主体性を育む。但し、マンガと雑誌は除く
  4. ただ読むだけ
    感想文や記録は求めない。本を読んでいるときの楽しく充実した思いを大切にする

さらに、朝読書の目指すところとして以下を提示しています。

  1. わずかな時間でも、毎日続けることで読書が好きになり、豊かな心を育み、読解力など学力向上のほか、生徒の問題行為が解消されるといった効果が生まれる。
  2. 読書本来の楽しみや喜びを感じ、自由や解放感を味わい、精神の散策や心の癒し、探究心や感性等々を、生徒と教師が一緒に読書をすることで、かけがえのない人生この時を、共に生き、共に学び、共に育み、共に歩んでいく。

参考:朝の読書 | 社会活動 | 株式会社トーハン

毎朝決まった時間にみんなで読むということと、自分の好きな本を自由に読むという楽しさが、自然と読書への興味や習慣づけに繋がっていきますね。

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朝読書で子どもたちが感じること

朝読書を全面的にサポートしているトーハンでは、朝読書25周年記念に朝読書経験者を対象にアンケートを実施しました。

その回答には
「朝の読書で心が落ち着き、授業に入れた」
「朝の読書と教室の雰囲気をセットで思い出す」
「友だちと読んだ本を交換し、本の話題で盛り上がった」
「無理やりの読書でも、だんだんと本の面白さがわかり自分と合う本を知る喜びを知った」
など本の楽しさや読書の習慣が身についたという声が多かったそうです。

朝読書が子どもたちにとって有意義な時間だということがわかりますね。

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参考:「朝の読書」25周年記念アンケート結果 | ニュースリリース | 株式会社トーハン

朝に読書するメリット

では朝読書のメリットを考えていきましょう。

気持ちを落ち着かせることができる

一日の始まりということもあり、集中する姿勢に入りやすいです。
さらに、気持ちが落ち着いている状態で読書をすることで、ストレス発散にも繋がるので、読書後の時間も気持ちに余裕を持って過ごすことができます。

また、学校で行うときは、先生も子どもたちも一斉に読書に集中するので、毎朝の朝読書の時間に気持ちを落ち着けてから授業に臨むという習慣をつけることもできます。
気持ちが落ち着いた状態だと集中力も高まりますね。

姿勢の切り替えができる

朝読書は基本的に10分間と時間が決まっているので、「もう少し読みたいな」と思っていても、時間が来たら読書を中断して、朝礼や授業に切り替えないといけません。
気持ち的には物足りないと感じてしまうかもしれませんが、「朝読書=好きな本を楽しむ時間」から朝礼や授業に姿勢を変えることが、気持ちの切り替えに繋がっていきます。

脳がすっきりしている状態で読むことができる

朝は疲れがまだ溜まっておらず、脳もすっきりしているので、読んだ本の情報を取り入れやすかったり、自分の中で整理整頓しやすかったりと、インプットとアウトプットには適した状態だと言えるでしょう。
そういったことから、身につけたいことや勉強したいこと、深く考えたいなと思えるようなことが書かれている内容の本を選ぶと良いですね。

朝に本を読んで「これをやろう!」「試してみたい!」と思ったことも、その日のうちに実行に移せるのも、朝読書のメリットです。

朝読書のために十分な睡眠を

朝読書の時間、集中を妨げるひとつとして大きいことが睡眠不足です。
睡眠不足で文字を見ていると眠たくなってしまって読むことができません。
読んでいても内容が頭に入ってこず、せっかくの朝読書の時間を無駄にしてしまいます。

朝、気持ちも体もすっきりした状態で読書できるように、毎日しっかりと睡眠時間を確保することが大切です。

朝読書を習慣化する方法

学校で毎朝の読書習慣を身につけているのならば、自宅でも子どもに本を読んでほしいなと思いますよね。
特に長期休暇中は読書に関する課題が出ることも多いので、自宅でも習慣化しておくと課題もスムーズに取り組むことができます。

習慣化の準備①事前に読む本を決めておく

学校での朝読書同様、読む本を前日など事前に決めておくと良いでしょう。

読む直前に本を選ぶと、時間がかかってしまったり、選んでいるうちに集中力が切れたりと、本を読むまでにモチベーションが低下してしまいます。
その状態を避けるためにも、朝に読む本は事前に選んでおくことをおすすめします。

習慣化の準備②時間を決める

朝読書を通じて整った生活習慣を過ごすためにも、時間を決めることが大切です。
そのために、

  • 起床時間
  • 朝読書の時間
  • 就寝時間

を決めて過ごすことを心掛けましょう。

朝読書の時間は学校と同じくらいの時間(10分程度)を確保すると、集中力も続きますし、継続して行いやすいです。
自宅だからといって長い時間を確保すると疲れてしまうので注意しましょう。

習慣化の準備③家族も一緒に行う

学校では、先生も子どもたちも一斉に朝読書をすることで、読書へ向き合う気持ちに切り替えられ、集中して読むことができます。
自宅でも同じような環境を作ることで、子どもも読書に向き合いやすいですよね。

また、朝読書が終わったあと、読んでいる本についてお互いに話す機会にも繋がります。
コミュニケーションをとる時間にもなる上、子どもたちが気持ちや考えを言語化してアウトプットできるチャンスです。
ぜひ家族の方も一緒に朝読書に取り組んでみてください。

まとめ

朝読書を習慣化して、集中力を身につけよう

  • 朝読書は文部科学省が推進する読書活動のひとつ
  • 毎日決まった時間に好きな本を自由に楽しく読むことで自然と読書習慣が身についていく
  • 朝読書を習慣化することで、姿勢の切り替えや情報の整理整頓が身につく

朝読書は全国の学校で実施されている、大変有意義な活動です。本を読むこと以外にも、集中力が身についたり、姿勢の切り替えができるようになったりと、子どもたちの生活習慣の向上にも繋がります。
長期休暇に入るタイミングは、自宅で朝読書を習慣化していく良い機会です。朝読書を通じて生活リズムも整いますので、ぜひ自宅でも取り組んでみてくださいね。

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