小学生の語彙力低下の理由と日常でできる5つの対策方法

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うちの子、自分の考えを言葉で説明するのが苦手そう…

ほかにも「文章の意味をちゃんと理解できていない気がする」など、お子さんの国語力や表現力に少し不安を感じたことはありませんか?

実はその背景には、「語彙力」の低下が関係していることがあります。
近年、子どもたちを取り巻く社会環境の変化によって、言葉に触れる機会が減っているとも言われています。

この記事では、語彙力が不足するとどのような影響があるのか、
そして家庭でできる語彙力の伸ばし方について、わかりやすく解説します。

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小学生の語彙力

お子さんの「語彙力」と聞いて、具体的にどのような力か思い浮かべることはできますか?
語彙力は、国語のテストだけでなく、日常の会話や学習全体に深く関わっています。

ここではまず、語彙力とはどのような力なのか。
そして、現代の小学生のの語彙力の現状について見ていきましょう。

語彙力とは

語彙力とは「言葉を理解する力」と「言葉を使って相手に伝える力」のことを指します。
たとえば、先生の説明を聞いても内容がつかめなかったり、「どうだった?」と聞かれても「別に」「普通」としか答えられなかったりする場合、語彙力が十分に育っていない可能性があります。

相手の言葉を理解し、自分の言葉を選んで使って相手に伝えることが「会話」です。
語彙力が低いと、気持ちや考えがあっても言葉にできず、「会話」のキャッチボールもうまくいかないということになります。

なぜ現代の小学生の語彙力は低下傾向なのか?

子どもは、新しい言葉を周りの大人との会話や、読書や様々な体験を通して吸収して、意味や使い方を理解していきます。
ただ聞いただけの言葉を、自分の言葉として実際に使えるようになるまでは時間がかかります。
そのためには、たくさんの会話や経験が必要です。

しかし、現代では家族や地域のコミュニティが縮小化傾向にあり、子どもが大人と接する機会も減っています。
祖父母と過ごす時間が少ない家族も増えているため、大人同士の会話や言葉の表現を聞くことも少なくなっています。
これは言葉を学ぶ環境が作りにくくなっているといえます。

読書量の低下以外にも、生活環境の変化も、現代の子どもの語彙力低下に影響していると考えられています。

子どもの語彙が少ないとどうなる?

では、語彙力が育っていないと、子どもにどのような影響が出てくるのでしょうか。

「ちゃんと勉強しているのに、なぜか成果が出ない」
「説明しても、話が伝わっていない気がする」
その背景に語彙力が関係していることがあります。

教科書が読めない(文章が理解できない)

語彙力の中でも特に重要なのが、「言葉の意味を理解する力」です。
この部分が養われていないと、教科書を読んでも文章の内容が理解できなかったり、先生の説明を聞いても、何が大事なのかわからなかったりします。

その結果、問題文の意味がつかめず正しくこたえられないことがあります。
内容を要約して、自分の言葉で説明するのが苦手になるケースも少なくありません。

また、知らない言葉が多いと読むスピードも遅くなります。
「一生懸命やっているのに理解が追いつかない」という状態になりやすくなります。

自分の考えや気持ちを表現しにくい

語彙力は、気持ちを伝える場面にも大きく関わっています。

たとえば、 楽しかった出来事や観た映画の感動を伝えたいとき、 「楽しかった」「すごかった」しか言うことができない。
本当はもっと伝えたい気持ちがあるのに、うまく言葉にできないこともあります。

最近よく使われる「やばい」「エモい」といった言葉は、便利な反面、細やかな気持ちや考えを言葉にする機会が減ってしまいがちです。
言葉が足りないことで、子ども自身がもどかしさを感じたり、人に伝えることを苦手に感じてしまうこともあります。

語彙力は国語以外の教科にも必要

「教科書が読めない」という部分にも繋がりますが、語彙力は国語以外の教科にももちろん必要な力です。

算数や理科の文章問題では、「何を問われているのか」を正しく読み取る必要があります。
語彙が不足していると、問題の意図をつかめず、実力があっても間違えてしまうことがあります。
また、英語に関しても、日本語の語彙力が土台になっています。
英単語を和訳した時にその意味を理解することができなければ、内容を正しくつかむことは難しくなります。

試験においても、記述問題では考えを文章にまとめる力が必要とされます。
語彙力が不足していると、言葉を選びながら書くことに時間がかかり、本来とれるはずの点数を逃してしまうこともあります。

日常でできる語彙の増やし方5つ

ある程度の語彙は生活する中で吸収し、身につけていくことができます。
ただし、さらに語彙の数を増やすためにはプラスアルファの機会を設けることがポイントです。
難しいことではないので、できることから実践してみましょう!

会話の「量」より「深さ」を意識する

子どもの語彙力を伸ばすために、まず意識したいのが家庭での会話です。
ただし、会話の回数を増やすことよりも、「会話の中身」を少しだけ深めることがポイントになります。

たとえば、「今日は学校どうだった?」と聞いて終わるのではなく、

  • 「何が一番楽しかった?」
  • 「どうしてそう思ったの?」
  • 「そのとき、どんな気持ちだった?」

といったように、子どもの答えに対して一言問いかけてみましょう。

こうしたやり取りを通して、子どもは出来事を思い出しながら、「どんな言葉を使えば伝わるかな?」と考えるようになります。
知っている言葉の中から選び、組み立てて話す経験が、語彙力だけでなく表現力の土台にもなっていきます。

言葉に詰まったときは、無理に言わせる必要はありません。
大人がさりげなく言葉を補ってあげることで、自然と新しい表現に触れることができます。

大人の言葉を“聞かせる環境”をつくる

語彙力は、「教える」だけでなく「聞く」ことでも育ちます。
特に小学生のうちは、身近な大人の言葉遣いがそのまま学びになる時期です。
家庭で大人同士が会話をしている場に、子どもが自然と同席する環境をつくるだけでも、子どもはさまざまな言葉や表現に触れることができます。

また、日常会話の中で「すごい」「大変だった」などの抽象的な言葉だけで終わらせず、

  • 「工夫されていて感心したね」
  • 「思っていたよりも複雑だったね」

といったように、少し具体的な言葉を選ぶことも効果的です。

子どもが「その言葉ってどういう意味?」と興味を示したら、それは語彙が広がるチャンスです。
会話の流れの中で簡単に説明してあげるだけでも、言葉への関心は自然と高まっていきます。

本・新聞・漫画で言葉に触れる

会話の中だけでは出会えない言葉に触れられるのが、読書の大きなメリットです。
文章の中には、会話ではあまり使われない表現や言い回しが多く含まれています。

「本を読むのが苦手」という子どもには、無理に小説を読ませる必要はありません。
漫画でも、フリガナ付きで表現が豊かな作品は多く、楽しみながら言葉に触れるきっかけになります。

まだ一人で読むのが難しい場合は、読み聞かせもおすすめです。
幼いころから本に親しむことで、「言葉に触れることは楽しい」という感覚が自然と育ち、自分から読む習慣につながっていきます。

体験と言葉をセットで残す

実際に体験したことは、語彙を増やす大きなきっかけになります。
五感を使って感じたことは、言葉と結びつきやすく、記憶にも残りやすいためです。

外出やイベントのあとに、「どんなところが印象に残った?」「一番びっくりしたのは何だった?」と声をかけてみましょう。
さらに、簡単な日記や一言メモに残すことで、体験を振り返りながら言葉にする力が育ちます。

また、かるたやしりとりなどの言葉遊びも、楽しみながら語彙力を高められる方法のひとつです。
遊びの中で自然と新しい言葉に出会えるのも、大きな魅力です。

子どもが“自分で言葉を使う習慣”をつくる

語彙力を定着させるためには、覚えた言葉を「実際に使ってみる」経験が欠かせません。

たとえば、

  • 今日覚えた言葉をひとつ会話で使ってみる
  • 新しく知った言葉をメモして残す「ことばメモ」を作る
  • 学校で習ったことを、親に説明してもらう

といった小さなアウトプットで十分です。

最初から上手に言えなくても問題ありません。
「伝えようとすること」そのものが、語彙力と表現力を少しずつ育てていきます。
言葉が伝わったときの成功体験は、子どもの自信にもつながります。

家庭だけで難しいと感じたら、プロや教材の力を借りるという選択

ここまでご紹介した方法は、家庭で無理なく取り入れられるものもあったのではないでしょうか。
ただ、忙しい日々の中で

  • 十分に時間が取れない
  • どんな言葉を教えればいいかわからない
  • 親の方が語彙に不安がある

と感じることもあるでしょう。

語彙は、学年が上がるにつれて必要とされるレベルが高くなります。
家庭だけでサポートすることが難しいと感じたときは、専門的な指導や教材を使用するという選択肢もありますよ。

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新国語講座では、国語力の中でも「読解力育成」に焦点を絞り、「語彙力」・「文法力」・「論理力」をそれぞれ鍛えることで、テストや入試などで問題を解く力を身につけます。

テスト・入試でよく使われる語彙に絞り、Gakken各書籍より、小学生1200語、中学生1800語、高校生2000語、累計5000語の学習をします。
まず一覧で語彙の意味や、例文を確認します。その後、一問一答形式で問題に答え、全問正解することで次のトレーニングに進むことができます。

「語彙力」トレーニングの後には、「文法力」「論理力」のトレーニングが自動で展開。それぞれの力を鍛え、読解力を育成します。

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こんな小学生におすすめ!

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  • 中学受験対策になる国語の学習をしたい
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まとめ

日常の工夫で子どもの語彙力は向上できる!

  • 語彙力は全教科において必要不可欠
  • 家族や大人との会話が子どもの語彙力アップにつながる
  • 本や新聞から日常生活では出会えない新しい言葉を吸収する

語彙力は学習だけではなく、人とコミュニケーションをとるために必要となる力です。語彙力が高ければ高いほど、自分の考えを的確な言葉で伝えることができますし、相手の想いを汲み取ることもできます。生活の中で少し工夫することで語彙力アップにつなげることができますので、ぜひ大人も一緒に実践してみてくださいね。

監修

一般社団法人 日本速読解力協会

1998年設立。全国の教育機関を通じた速読解教育による学力・仕事力向上と読書支援を継続的に推進し、社会に貢献、活躍する人づくりを目指す。

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