読み聞かせは良いことだらけ!読み方のコツや絵本の選び方をご紹介

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子どもが自分で本が読めるまでは、大人が読み聞かせをすることが多いですよね。
子どもはちゃんと理解しているのだろうかと心配になるかもしれませんが、読み聞かせは子どもにとって良いことばかりです。

読み方のコツや絵本の選び方と共に解説していきます!

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読み聞かせには良いことがいっぱい

読み聞かせは、内容を聞いているだけでも、子どもたちにはメリットがたくさんあります。

脳科学の知見から語彙力に効果アリ

脳の側頭葉という部分の活性化と語彙力の向上が関係しているのですが、側頭葉は幼いころから成人と同じような働きをすると言われています。
まだ話すことがままならない年齢の子どもでも、読み聞かせで様々な言葉を聞いてそれらを吸収することで、語彙力の向上につながるのです。

読み聞かせの工夫で読解力が高まる

読解力とは「読んで理解する力」のことです。
近年、日本の子どもの読解力低下が不安視されており、国際学習到達度調査(PISA)では、日本の高校生の読解力の世界順位が8位(2015年実施)から15位(2018年実施)に急落してしまいました。

読解力の低下は活字離れや読書量の減少も影響しているため、子どもが成長過程で読むことに対して苦手意識が芽生える前に、本に慣れ親しむことが大切です。
特に小学校低学年ごろに読み聞かせは、読み手側が工夫することで読解力向上につなげることできます。

その工夫とは「読み手(親)が絵本の内容について子どもに問いかけること」です。そして重要なのは「答えるときに自分の言葉で説明する」ことです。
答えが「はい」「いいえ」にならずに、「こういう内容だった」「〇〇がこういうふうに言っていた」など、子どもが自分の言葉で答えられるような内容で問いかけることを心掛けましょう。
問いかけることで、子どもの思考を深めることができる上、読み聞かせで聞いた内容を理解しているかどうかがわかるため、読解力の確認や向上につなげることができます。

情緒面にも効果◎

読み聞かせは子どもの情緒面にも効果があり、また同じように大人にも効果があります。
双方にとって最も大きなメリットは「リラックスできる」ということです。
読み聞かせの時は親子で絵本を一緒に読むので、膝の上に座ったり、寄り添ったりすることが多いため、子どもが親のぬくもりを感じてリラックスすることができます。

また大人は、ゆったり読むこと、子どもと一緒に想像しながら読むことで、心が落ち着きます。
そして子どもは、リラックスした状態で絵本を読むと、感受性が豊かになったり、想像力が働いたりして、集中して絵本に向き合うことができます。

子どもを惹きつける、読み方のコツ

絵本の読み方ひとつで、子どもの絵本への興味は大きく変わります。

読み方を工夫して、楽しい読み聞かせの時間を過ごしましょう!

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抑揚をつけて読む

話の展開や登場人物の心情によって、声にある程度の抑揚をつけて読むと、子どもも深く聞き入ります。
ただ、あまり大げさに抑揚をつけてしまうと、その表現ばかりが印象に残って、絵本の内容が入ってこないこともありますので、注意しましょう。

アドリブを入れたり、絵本を動かしたりしない

読んでいる側も楽しくなったり、盛り上げるためにオリジナルのセリフや表現を加えながら読んでしまったりすることもあるかもしれませんが、実は読み聞かせにアドリブやオリジナルはNGです。
絵本を忠実に読むことが、絵本の世界観や面白みがストレートに伝わります。

また、内容に躍動感のある絵本を読んでいるときに、本を動かすこともNGです。
子どもが絵本の世界に入っている時に、見ている絵本が動いてしまうと、集中を妨げてしまう可能性があるからです。
ただ、絵本によっては動きをつけることでより楽しめる作品もありますので、内容によって臨機応変に対応しましょう。

読んでいる途中で質問や説明はしない

読み聞かせの途中で「なんでだろう」「ここはこうだね」など、質問や説明を入れてしまうと、子どもの集中を妨げてしまいます。
子どもは絵本の世界に入り込んでいるので、それを邪魔せず、読み手側も絵本に書かれていることをまずは読み進めていきましょう。

年代別 絵本の選び方とおすすめの作品

子どもが純粋に絵本の世界を楽しめるように、年齢に沿った絵本を選ぶことが大切です。

【1~3歳】絵本の選び方

少しずつ言葉を理解してきたり、自分の好みがわかるようになってきたりと、成長が著しいこの時期は、子ども自身が楽しいと感じる絵本を選びましょう。
読み聞かせを聞きながら内容がイメージしやすかったり、リズム感があって盛り上がるような内容のものを選んだりすると、子どもも絵本へ親しみを持ちやすくなるので、読み聞かせの時間をさらに楽しく過ごせます。

【1~3歳】おすすめの作品

くだもの

作:平山 和子
出版社:福音館書店

ページを開くと、丸くて大きな緑のすいか。ページをめくると、三日月形に切られた真っ赤なすいかが、お皿にのって現れます。「さあ どうぞ」。その先も、ページをめくるたび、もも、ぶどう、なし、りんごと、子どもたちに身近な果物が、まず丸ごとの形で示され、次に食べやすい形で「さあ どうぞ」と差し出されます。果物のみずみずしさを丁寧に描き出した絵に、子どもも大人も夢中になること間違いなしの食べもの絵本です。
引用:福音館書店

へんしんトンネル

作・絵:あきやま ただし
出版社:金の星社

ようこそ、へんしんトンネルへ!ページをめくってはびっくり!かっぱが「かっぱかっぱ・・・」とつぶやきながらくぐると、「・・・ぱっかぱっか」と馬になって出てきました。絶対はまるたのしい絵本!大人気「へんしん」シリーズの第1作目。言葉遊び絵本なのだけれど、小さな子ども達だって、聞いていれば、すぐにその面白さに驚きハマってしまうはず。読み方にちょっとしたコツがあるようですよ。こんな楽しい絵本だったら、言葉が大好きになっちゃいそう。

引用:絵本ナビ

【4~5歳】絵本の選び方

読み聞かせを聞く集中力もついてくる年齢です。少し長めのお話にステップアップしてみるのも良いですね。
想像力や考える力も成長してきているので、ドキドキわくわくしたり、悲しい、楽しいなど、気持ちの部分に気づけたりする内容がおすすめです。
読む時間を少しずつ長くして、長いお話を数回に分けて読むのも良いですね。

【4~5歳】おすすめの作品

三びきのやぎのがらがらどん

ノルウェーの昔話
絵:マーシャ・ブラウン
訳:瀬田 貞二
出版社:福音館書店

橋の向こう側の山で、たくさん草を食べようと考えた3匹のヤギ。小さなヤギ、中ぐらいのヤギ、大きなヤギ、みんな名前は「がらがらどん」。橋をわたっている途中に谷に住むトロル(おに)にでくわしてしまいます。小さなヤギの機転によって、小さなヤギと中くらいのヤギはトロルから逃げて橋をわたることができました。いちばん大きくて強いヤギはトロルに勝負を挑みます。3匹のヤギは無事に橋をわたることができるのでしょうか?

引用:福音館書店

パンどろぼう

作:柴田 ケイコ
出版社:KADOKAWA

食パンのかぶりものから、正体まるわかりの鼻面と手足が生えているヴィジュアルが、なんともまぬけで愛らしいパンどろぼう。隠れ家にはパンのテーブル、パンのティシュボックス、パン柄タオルに、謎のパン状観葉植物まで!?そして、パンを食べるときの幸せそうな表情!あまりにもパンを愛しすぎているパンどろぼう、どろぼうなのに、憎めません。
そんなパンどろぼうが、「世界でいちばんおいしいパン」を、どれほどたのしみにかじったことか……「世界でいちばんおいしいパン」を食べた後の、パンどろぼうの表情がいちばんのみどころ!おいしいパンの絵本は数あれど、あ~んなパンがでてくるとは! おとなも子どもも思わず吹き出す、シュールでかわいい一冊です。

引用:絵本ナビ

まとめ

読み聞かせで読むことへの親しみと理解力を向上させましょう

  • 内容を聞いているだけでも語彙力がUP
  • 絵本の内容を問いかけると読解力の向上につながる
  • 読み聞かせのコツは「アレンジせずに絵本を忠実に読むこと」

絵本の読み聞かせは子どもも大人もリラックスできるとても素敵な時間です。また、子どもの学力面や情緒面にも大きな影響を与えます。
読解力や想像力の向上というメリットもたくさんありますので、成長に合わせて楽しく読める本を選びましょう。

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