2023年度実施 大学入学共通テスト国語 文字数を分析 多くの教科で文字数が増加

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約2分で読めたら読書速度1200文字/分。

2023年共通テスト国語文字数分析

2023年1月14日、2023年度(令和5年度)大学入学共通テスト1日目が行われました。文字数は昨年度から約3,000文字増と大幅に増えました。難易度は、古文、漢文は昨年並みでしたが、現代文がやや難化したといえます。

他の教科では、世界史Bで約6,000文字数が増えました。数学の文字数も昨年に比べると増加していますが、取り組みやすい問題となりました。それでも試験時間に対して文字量は多いため、時間配分が大切です。

文字数は約24,060文字で、昨年より約3,000文字増

文字数は大問1 評論が約7,830文字、大問2 小説が約9,020文字、大問3 古文が約4,680文字、大問4 漢文が約2,530文字でした。合計は約24,060文字と昨年から約3,000文字増えました。
現代文は、本文の文字数が昨年と比べて大幅に増えた上(大問1 約1,400文字増、大問2 約1,890文字増)、大問数は変化ないものの設問数2つ、解答数1つ増えました。設問には紛らわしい選択肢も含まれているため、正解を導くには慎重に吟味する必要があり、やや難化したといえるでしょう。

古文・漢文は、基礎知識を問う問題は減少し、文意の把握、文脈を読み取る問題など、内容理解を問う問題が増加しました。
複数の文章や資料を読み解く力は必須であり、その土台として、思考力と基礎的な読解力を身につけておくことが必要であるといえます。

2023年共通テスト国語文字数

原稿用紙60枚分の内容を読み解くためには時間配分が大切

試験では、解く時間や書く時間に約6割が必要と言われています。
2023年度の国語の文字数は約24,060文字で、原稿用紙60枚分/です。日本人の平均読書速度は500〜600文字のため、通常の速さで読んでいては解く時間が足りなくなってしまいます。
制限時間のある試験では読書速度の違いによって時間配分に大きな差が生じます。
余裕を持って試験に取り組むためには、平均読書速度(1分間に500文字)の2~3倍が必要です。

2023年大学入学共通テスト国語 時間配分

多くの教科で文字数が増加!読解力が求められる

世界史B、日本史B、現代社会では15,000文字を超えており、平均読書速度(1分間に500文字)で読むと時間が足りません。

2023年共通テスト文字数
※理科のマーク数を修正しました。(2024.01.22)

世界史Bでは昨年と比べて約6,000文字増えています。日本史Bは約17,510文字、現代社会は約19,130文字と、国語の問題並みに文字量が多くなっています。資料の読み取りや、会話形式の問題が増えており、知識だけでなく、読解力や思考力が必要となっています。

数学Ⅰ Aは約1,740文字、数学Ⅱ Bは約1,070文字で、昨年に比べると文字数が増えています。しかし、昨年に比べると典型的な問題が出題されており、取り組みやすい内容でした。
文章量が多いことに焦らず、しっかりと内容を読み解いて取り組むことが大切です。速読力と読解力を兼ね備えた上で、時間配分を考えて取り組みましょう。

2023年度の共通テストでは多くの教科で文字数が増加しました。
会話文や複数資料の読み取り、紛らわしい選択肢の吟味も必要であり、知識だけではなく、文意を正しく理解する力が求められています。
速く正確に読み取る力に加え、基礎的な読解力を鍛え、国語に限らず全ての教科において実力を発揮できるようにしましょう。

まとめ

多くの教科で文字数が増加!速読解力や思考力が求められる

  • 国語の文字数は約24,060文字で昨年より約3,000文字増
  • 世界史Bでは資料の読み取りや会話文の出題が増え、昨年より約6,000文字増
  • 数学では文字数は増えたが、取り組みやすい問題が出題

国語や世界史Bでは大幅に文字数が増加。昨年平均点が急落した数学でも、易化したものの文字数は増加。文章量や場面設定に惑わされずに、知識を十分に発揮できる土台として速く正確に読み解く力が求められています。
国語に限らず、長文読解問題、図表問題などに取り組み、設問の主旨を正しく読み取って正解を素早く導き出せるように演習することが大切です。本番当日に実力を発揮できるよう、普段からスピード意識を高め、事前に十分に時間配分を考えておきましょう。

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