小学生が文章問題に苦手意識を持つ理由と克服方法

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計算問題は得意なのに、文章問題が出てきた途端「わからない」「苦手」と感じてしまう子どもたち。
その裏には、実は読解力不足が関係しています。

特にどんな点を苦手としているのか、そして苦手意識を克服する方法をご紹介します。

文章問題が苦手な子の特徴

文章問題が苦手な子に共通するのが、「読解力が低い」ということです。
まずは苦手な子の特徴から見ていきましょう。

読書や文章を読むのが苦手

国語が得意ではない、好きではないという子の理由としてよく挙げられるのではないでしょうか。
活字に慣れていなかったり、読むのが遅くて「読む」ということに対して自信が持てなかったり、疲れてしまったりと、「読むのが苦手」という理由の裏にも様々な理由が隠れています。

例えば興味がある内容の本を読んだり、短編の話から読んだりして、少しずつ活字慣れしていくと、読むことへの苦手意識も少なくなるかもしれません。

アニメやドラマ・映画の原作・ノベライズを読むというのも、ストーリーを知っているので読み進めやすく感じられ、おすすめです。

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言葉の意味がわからない

語彙力が低く、文章で伝えたいことを読みとれないことから、苦手意識を持ってしまう場合です。
語彙力が低いと、自分の気持ちなども表現する幅が狭くなってしまい、同じ言葉ばかり使ったり、言葉が出てこなかったりということが起こります。

文章を読んでいてわからない言葉を見つけたら辞書で調べるクセをつけたり、漢字や前後の文脈から推測してみてから意味を調べたりすると、自然と言葉に興味を持つようになるので語彙力アップにも繋がります。

自分の考えを伝えることが苦手

「言葉の意味がわからない」という理由の背景と似ていますが、「自分の考えを伝えることが苦手」という場合も、語彙力不足が関係しています。

日常生活の中で使う言葉の幅を広げていくと、「自分の考えを表現する」ということへの苦手意識が少なくなります。
例えば、「今日は何が楽しかった?」と聞くと、伝えることが苦手な子は「ぜんぶ!」とか「べつに」と答えがちなので、「今日は一番何が楽しかった?」や「どのごはんがおいしかった?」というように、比較して答えを導きだせるような問いかけをしてみましょう。
子ども自身も今まで気づかなかった自分の感情に気づくことができて、自分の言葉で表現することが楽しくなってくるはずです。

新指導要領に基づいた授業で言葉の力を育む

小学校では2020年度から新指導要領に基づいた授業が始まっています。
新しくなった国語の指導要領のひとつである「思考力、判断力、表現力等」の項目では、国語で理解したり表現したりする際に発揮していくための学びが用意されています。

新しい項目「思考力、判断力、表現力等」

新指導要領が目指す方向性として掲げられた3つの力「学びに向かう力、人間性など」「知識及び技能」「思考力・判断力・表現力等」と合わせて、国語科で目指すべき力を「国語で正確に理解し適切に表現する資質・能力」と定めました。
そして、これまでの指導要領で「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」の3領域とされていた項目が、新指導要領では「思考力・判断力・表現力等」という項目の中に「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」が加わりました。

児童が「言葉による見方・考え方」を働かせることも必要であるという観点から、学んだことを自らの言葉や知識を用いて表現することに重点を置いています。

「読むこと」の必要性

PISA(学習到達度調査)の読解力の結果では、2015年調査以降平均点が低下し続けています。

コンピュータを用いたテスト方式に移行したことも影響していますが、情報化の進展で子供にとって言葉を取り巻く環境が変化する中で、読解力に関して改善すべき課題が明らかとなったものと考えられています。

また、全国学力・学習状況調査等の結果でも、文における主語を捉えることや文の構成を理解したり表現の工夫を捉えたりすること、目的に応じて文章を要約したり複数の情報を関連付けて理解を深めたりすることなどに課題があることが明らかになっています。

これらの結果を踏まえて指導要領が改訂されましたが、3領域のひとつ「読むこと」では、国語の授業が日常の読書活動に結び付けられることを目標としています。
国語で読む力や読解力を育むことで、今以上に子どもたちが本に親しみを持って、自分の考えを表現することができるようにという思いが込められています。

参考:文部科学省 小学校学習指導要領(平成 29 年告示)解説 国語編P6

6年間を通じて学ぶこと

「読むこと」の活動事例では、説明文・物語文を読んで感じたことやわかったことを伝えたり、読書を通じて情報を得たりという内容が各学年で設けられています。

全体を通して、読み解く力の育成や積極的な読書活動の推進を重要視しており、国語の授業を通じて「読解力の向上」を目指していることがわかります。

説明的な文章を読んで分かったことや考えたことを表現する言語活動 文学的な文章を読んで内容を説明したり考えたことなどを伝え合ったりする言語活動 学校図書館などを利用し、本などから情報を得て活用する言語活動
第1学年及び
第2学年
事物の仕組みを説明した文章などを読み、分かったことや考えたことを述べる活動。 読み聞かせを聞いたり物語などを読んだりして、内容や感想などを伝え合ったり、演じたりする活動。 学校図書館などを利用し、図鑑や科学的なことについて書いた本などを読み、分かったことなどを説明する活動。
第3学年及び
第4学年
記録や報告などの文章を読み、文章の一部を引用して、分かったことや考えたことを説明したり、意見を述べたりする活動。 詩や物語などを読み、内容を説明したり、考えたことなどを伝え合ったりする活動。 学校図書館などを利用し、事典や図鑑などから情報を得て、分かったことなどをまとめて説明する活動。
第5学年及び
第6学年
説明や 解説などの文章を比較するなどして読み、分かったことや考えたことを、話し合ったり文章にまとめたりする活動。 詩や物語、伝記などを読み、内容を説明したり、自分の生き方などについて考えたことを伝え合ったりする活動。 学校図書館などを利用し、複数の本や新聞などを活用して、調べたり考えたりしたことを報告する活動。

参考:文部科学省 小学校学習指導要領(平成 29 年告示)解説 国語編P39

読解力は国語だけに必要な力ではない

これまで国語にフォーカスして読解力について説明してきましたが、読解力は国語だけに必要な力ではありません。
読解力とは「読んで理解する力」のことですから、どんな教科でも読んで解くことが必要になりますよね。

例えば近年の入試や学力テストでは、長文や資料の読み取り、複数人での会話から内容を読み取るという日常に近い問題が出題されています。
一見、難しい内容ではないと思ってしまいますが、正しく読み取れていなければ間違いにつながってしまします。
また、こういった長文読解の問は配点が大きいことが多いため、1問のミスが大きな失点になってしまします。

「ちゃんと読んでいればわかったのに」「読み直しておけば間違いに気づいたはず」 と後悔しないためにも、日頃から正しく読み解く力を鍛えておくことが必要です。

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読解力UPにつながるトレーニング

では、読解力を高めるにはどうすればいいのでしょうか。
読解力を高めるためにできるトレーニングをご紹介します。

読書で正しく文章を読む練習をする

まずは文章を正しく読む必要があります。
そのためには内容を理解していない「飛ばし読み」や「斜め読み」をしないように、前から順番に読むことが大切です。

どうしても飛ばして読んでしまうくせがついている人は、ペンで追いながら読んだり、線を引きながら読んだりするといいでしょう。

文章を要約する

つぎに、読解力を向上させるための練習として「要約」が有効と言われています。
文章を短くまとめるためには内容を正しく理解し、別の言葉で置き換える必要があります。
本や文章、ニュースを短くまとめる練習をしてみましょう。

文章にするだけでなく、日常の会話で他の人に「簡潔に説明」するというのも練習になるでしょう。

小学生から読解力を鍛える「新国語講座」

新国語講座のトレーニング

新国語講座は「読解力育成」に焦点を絞り、「語彙力」「文法力」「論理力」をそれぞれ鍛えます。
なかでも「論理力」は「基礎的読解力」を向上するトレーニング内容となっています。

まとめ

文章問題への苦手意識は、日常生活からも克服できる

  • 文章問題への苦手意識は読書量のUPと語彙力向上で克服。
  • 国語の授業で「読むこと」に親しみを持ち、考えを表現することができる。
  • 読解力が高いと入試やテストに有利。

読んだり読み解いたりする力は、国語だけに限らず他の教科やテストにも必要です。また、相手が求めている答えを的確に答えるというコミュニケーションの場でも読解力は重要になってきます。
まずは読みやすい本を手にとることから苦手意識を克服して、正しく読み解ける力を少しずつ身につけていきましょう。

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