子どもの読む速度はどれくらい? 受験に必要な読書速度の目安と速く読む方法

この記事は4723文字です。
約4分で読めたら読書速度1200文字/分。

子どもが家で本を読んだり宿題をしたりしているとき、読むのが遅いように感じる…。子どもにもっと本を読ませたいけど塾や習い事で忙しいし時間がない…。自分や子どもの読む速さってどれくらい?他の人はどれくらいの速さで読んでいるの?どうやったら速く読めるの?
「読む速さ」についてふと疑問に思ったことはありませんか。

全国累計25万人以上がトレーニングした受講データから、小学生・中学生・高校生の平均読書速度や受験に必要な読書速度の文字数を調査しました。
読書速度を伸ばす方法もご紹介します。

日本人の読書速度の平均

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自分自身や、お子さんの読書速度がどれくらいか知っていますか?

一般的に、日本人の平均読書速度は、1分間に400~600文字程度と言われています。
原稿用紙1枚(400字詰め)だと1分間に1枚半、文庫本1冊(10万文字程度)だと3時間弱ほどで読める速さとなります。

ただ、これはあくまで平均です。実際に社会人の方に計測をしてもらった調査結果で見てみると、1分間に320文字の人もいれば2000文字を超える人もいますので、読む速度にはかなり個人差があることが分かります。

なぜこんなにも違うのか…と思われるかも知れませんが、その違いはスポーツなどに例えてみると少し分かりやすくなりそうです。
例えば、50m走のタイムを計ることをイメージしてみてください。「同じ年齢(学年)」であっても人によってタイムはかなり違うものだと想像できます。
違いが出るのは、体格・体力、地面の蹴り方や足の上げ方、手の振り方など、人によって色々な違いがあることが影響しているのでしょう。
読む速度もそれと似ています。同じ年齢(学年)であっても、目の動かし方、脳の処理スピード、語彙・文法などの知識、読書経験などが人によって異なります。
そのため、発揮できる読書速度には個人差が生じるのです。

今まで読む速度を計測したことがない、ということでしたら、ぜひ計測してみてください。自分自身が思っているよりも速かった、遅かった、など思わぬ結果が出るかも!?

小学生・中学生・高校生の読書速度の平均

一般的な小学生・中学生・高校生の平均はどれくらい?

日本人の平均読書速度は1分間に400~600文字程度と言われているのですが、年齢によって多少平均の数値に違いが見られます。

学年 平均読書速度
小学低学年 200~400文字/分程度
小学高学年 400~600文字/分程度
中学生 500~700文字/分程度
高校生 600~800文字/分程度

学習塾に通う生徒の読書速度はどのくらい?

日本速脳速読協会のトレーニングを導入している学習塾・教育機関において、トレーニングを開始する前の小学生・中学生・高校生の読書速度を調査したところ、以下のような結果でした。

学年 平均読書速度
小学低学年 557.1文字/分
小学高学年 649.0文字/分
中学生 705.0文字/分
高校生 661.8文字/分

※日本速脳速読協会調べ 調査対象データ数14984件
※トレーニング初回の読書速度数値(トレーニング前計測数値)

高校生は中学生より低い数値となっていますが、読む文章自体の難易度が高くなること、これまでの読書経験が乏しく読む時間がかかる方はかなり低い数値となられることなどが影響していると考えられます。

普段の読書だけではなく、毎日の学習や宿題で時間がかかりすぎるということはありませんか?
試験の時は必ず制限時間があります。限られた時間内に正確に解答しなければなりませんので、「解答は分かっていたけど、時間が足りなかった」といった経験をお持ちの方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
読書速度は、学習や試験に大きく影響しています。特に入試は1点の差で合否が分かれることがありますので、その後の人生のターニングポイントになると言えます。

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入試で必要とされる読書速度は、どれくらいなのでしょうか。

入試に必要な読書速度はどのくらい?

試験においては、多量の文章を速く正確に読むことはもちろん、難解な問題に出会ったときなどは考える時間や見直す時間をどこまで持てるかどうかも気になるところでしょう。
ここからは受験において必要とされる読書速度を見ていきましょう。

中学受験に必要な読書速度

※試験時間の6割を解く時間として計算しています。
※読む時間は読み直しや答えの検索などを考慮し、文字数を2倍で計算しています。

高校受験に必要な読書速度

※試験時間の6割を解く時間として計算しています。
※読む時間は読み直しや答えの検索などを考慮し、文字数を2倍で計算しています。

大学受験に必要な読書速度

※試験時間の6割を解く時間として計算しています。

グラフで見てもわかるように、読書速度が違うと、試験時間の使い方は大きく異なる、ということが分かります。
試験では「時間内に解答する」ということが大前提ですので、どれだけたくさんの知識を得て解き方に慣れているとしても、時間不足になり解答できなければ点数として認めてもらえません。「考える時間」や「見直す時間」が多いことは落ち着いて正しい解答をするうえで大変有利なのです。

読書速度はどれくらい速くなったらいいの?

必要な読書速度は人によって異なります。
受験を控えている方は先述したグラフを参考に受験に必要な速度を目指すのがよいでしょう。また、読書が趣味の方で今よりも3倍の速度で読めるようになりたい!といったイメージがある場合などは自身で目指す速度を決めるのもよいです。

日本速脳速読協会のトレーニングをした方の結果を見てみると、約1年で1083.5文字/分、2年程度で1302.9文字/分、2年以上で1500文字/分程度の読書速度(平均速度)を習得されているデータがあります。

読書速度の伸び

読書速度の伸び率を示したグラフ

※日本速脳速読協会調べ 調査対象データ数70297件
※文章読了後に設問正解(2問中2問正解)した場合のみ有効データとして数値化

ただ読書速度には個人差があり、初回が平均値よりかなり低いケースも大いにあります。
トレーニングは自身のペースで行い、伸びなどを見ながら自身に合った目標設定を行っていただくのがよいでしょう。

トレーニングを適切に行えば、速く読めるようになっても理解が浅くならず、物語文などでも感情移入しづらいということもありません。しっかり理解をし、内容を楽しみながら速く読めるようになります。
トレーニングでは自身に合ったペースで継続し、伸びを確認しながら、必要なシーンで発揮できる速度を身に着ける…ということが最も大切です。

速く読めることの学習・試験以外のメリット

速く読めるようになると、学習や試験だけでなく日々の生活で色々な変化を感じられます。以下はこれまでトレーニングをされた方からいただいた実際の声です。
文字を読むことは学習・試験に限らず日常的に行っています。 速く読めることで読書に対する自信がついたり、短時間で多くの情報を得て素早く判断できたりと日常生活における様々なシーンでとても役立つスキルとなります。

・読むことが苦でなくなり本好きになった
・本屋で本を見つけるのが速くなった
・図書館でたくさん本が読めるようになった、たくさん借りられるようになった
・映画やYouTubeなどの字幕が読みやすくなった、2倍速でも見られるようになった
・スポーツ(球技)でボールが見やすくなった
・スポーツの試合で敵味方が瞬時に判別できるようになった
・旅行先で地図や看板を見て目的地を探すのが速くなった
・運転がしやすくなった(車や人の動きが良く見えるようになった、判断が素早くなった)

読書速度を伸ばす3つのおすすめの自宅トレーニング

①眼の動きを柔軟にする

部屋の真ん中に寝転んで、天井の四隅を順番に見る
上下 → 右左 → 対角
それぞれ往復1秒を目安に目をしっかり大きく動かしましょう

②好きな文庫本(読み終わった本)でトレーニングする

普段読む速さより速く文字を追いかけるようにする

※文字を追いかけるときに意識すること

  • 単語や読みやすい文章のまとまりを「固まり」として捉える
  • 本のページを広く見る
  • 理解ができない速さで文字を「見る」(内容が読めなくてもOK!)
    速い30秒 > とても速い90秒 > 少し速い60秒

③読む速度を測る

②の文庫本で、1分間読んでみる
毎回どこまで読めたか記録する

★留意点:普段どおりの理解度を維持する!
①と②も併せて行っていると変化が感じやすくなります。

読書速度を伸ばすアプリを使った速読トレーニング

日本速脳速読協会では、理解度を維持しながら速く読めるトレーニングを提供しています。
実際にどのようなトレーニングをするのか、その一部をご紹介します。

現在の読書速度を確認します。目の動きを円滑にして、見る速度や範囲を広げます。

読書速度計測

眼筋トレーニング

視幅拡大トレーニング/識幅拡大トレーニング/識力向上トレーニング

速さと理解度のバランスを確認し、理解度を維持しながらより速く読める読み方をトレーニングします。

速解力チェック

読解の基礎となる全体把握力や理解力を鍛える問題に取り組みます。

全体把握力・理解力

読解に必要な技能を確認し、得意・不得意やそのバランスを確認します。(推奨:小学高学年以上)

基礎的読解力

速く正確に読み解くために必要な短期記憶力や検索力など、能力そのものを高めるトレーニングを行います。

短期記憶力(あてっこ)

検索力(いそいで数字探し)

検索力いそいで数字

思考能力(つみき)

つみき

…など多数

トレーニングの速さは計測した速度に基づいて自動展開するので、自身に合った速さでトレーニングすることができます。
また各問題のレベルは難易度の低いものから順番に展開するので、初めての方でも安心して取り組むことができます。

まとめ

子どもの読む速度は小学生~高校生の平均で400~600文字/分

  • 受験のときに余裕を持てる読書速度目安は1200~1500文字/分
  • 目指す読書速度は学習や読書など目的に応じて設定するのがよい
  • 速く読めることは学習や試験以外の日常生活でも大いに役立つ
  • 読書速度はトレーニングアプリで効果的に伸ばすことができる

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