やり抜く力や自己肯定感など、数値化できない心の力「非認知能力」とは?

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数値化できない心の力 非認知能力とは?

近年、保育・幼児教育で注目されている「非認知能力」とは、テスト結果のような数値化できる「認知能力」以外の心の力を総称したものを指します。教科書や参考書で養われる能力ではなく、忍耐力や協調性、感情コントロールなど、日常生活で必要な「生きる力」です。
今回は、文部科学省委託調査である調査研究をもとに「非認知能力」についてご紹介します。

参照:令和3年度 文部科学省委託 国立大学法人東京大学報告書「非認知能力に関する保育·幼児教育施設の意識や取り組みと園児への影響に関する調査研究」

「認知能力」と「非認知能力」のちがい

人としてのあらゆる良い資質「非認知能力」

「認知能力」とはテスト、読み書き計算、IQなど数値化で表せる能力です。

それに対して「非認知能力」とは、数値で表すことができない、自分を大切にし、自分を高めようとする力、周りの人とうまくやっていく力、自分の感情をうまくコントロールする力などの心の力のことを指します。

認知能力と非認知能力
認知能力 点数などで数値化できる能力
  • ペーパーテストの結果
  • IQの値
  • 語学力
  • 専門性、専門知識

など

非認知能力 数値で表すことができない力
  • 自分を高めようとする力(目標の達成)

    忍耐力、意欲、セルフコントロール、注意、自己効力感、統制の所在

  • 周りの人とうまくやっていく力(他者との協働)

    社会的スキル、向社会性、協調性、寛容性、共感

  • 自分の感情をコントロールする力(情動の抑制)

    自尊心、自己肯定感、内在化・外在化問題行動

など

勉強や習い事で培った能力や、学んで得た知識である「認知能力」とともに、予測困難な状況でも適切に対処し、自ら判断・解決していく力「非認知能力」も伸ばしていく必要があります。
2020年に実施された教育改革でも「問題発見、解決する力」などの非認知能力を伸ばすことが言及されており、「非認知能力」の伸ばし方が注目をされています。

「非認知能力」が注目されたきっかけ

アメリカが世界に先駆けて取り組んだ教育システム

「非認知能力」が注目されるようになったきっかけは、2000年にノーベル経済学賞を受賞した、シカゴ大学のジェームズ・ヘックマン教授の早期教育でした。

ヘックマン教授らによる1960年代にアメリカで行われた「ペリー就学前プロジェクト」という調査では、就学前の幼児教育を行った子どもと何もしなかった子どもを比べたところ、高校卒業率や平均所得、生活保護受給率、犯罪率などに大きな差が現れたという結果が出ました。

また、40歳時点で、就学前教育を受けた人たちは受けなかった人たちに比べて、高校卒業率は20%高く、収入は約4倍、持ち家率は約3倍、5回以上の逮捕歴を持つ人の割合が19%も低かったのです。

ペリー就学前プロジェクト
ペリー就学前プロジェクト

引用元:内閣府:第3章 日本の子供の貧困に関する先行研究の収集・評価(2.2.(1)):図表3-3ペリー就学前プロジェクトの効果

一方で、早期教育でIQは短期的に上がったものの、4年経つとその差は消えていました。早期教育ではIQを長期的に高めることには繋がらないことが分かったことです。

このことから、大人になってからの差を生み出したのは認知能力以外の力である「非認知能力」だと考えられるようになりました。ヘックマン教授はIQよりもこうした能力の方が、実際の社会生活では重要とされることが多いと指摘しています。

保護者も重視する「非認知能力」

79.5%の保護者が非認知能力という言葉を知らない

2020年度Cedep「乳幼児期の非認知能力についての意識及び取り組みに関する調査」の「非認知能力について」の質問では、園(幼稚園、保育所、認定こども園など)では知っているが90.0%に対し、保護者の79.5%がという言葉を「知らない」と回答しました。

「非認知能力」という言葉について

「非認知能力」という言葉を知らなくても非認知能力に含まれる資質・能力を重視

2020年度Cedep「乳幼児期の非認知能力についての意識及び取り組みに関する調査」の「非保護者にどういった力が大切かをアンケートしたしたところ、ほとんどの質問で約90%が大切だと回答。保護者は「非認知能力」という言葉自体を知らなくても、非認知能力に含まれる資質・能力を重視していることがわかります。

「非認知能力」という言葉について

2015年に行われた野村総合研究所の研究によると、2025年~2035年には、日本の労働人口の約49%が就いている職業でAIの代替が可能になるということです。今日やっている仕事が、近いうちにすべて機械によってまかなわれてしまう可能性があるのです。

そのため、計算や運動能力などの認知能力だけを身につけているのでは、臨機応変な対応を取ることに慣れておらず、時代の変化に対応することが難しくなってしまうかもしれません。

今後、どのような時代や情勢に変化したとしても、自分で考えて行動を起こし、想像しながらやり抜く力、正解のない問いを考え抜く力である「総合的な人間力」が重要になってくるのです。

日常生活で非認知能力を伸ばすために必要なこと

非認知能力を伸ばす

子どもの気持ちや考えに寄り添う

子どもがやろうとしていることを最初から否定せず、一緒にやってみましょう。途中で失敗するかもしれないけれど、その失敗から学び、成功するために試行錯誤することも非認知能力を育む経験となります。見守る大人は子どもが安心して「失敗しても大丈夫!」と思えるような関わりをしてください。

「大事なことは何か」を考え学び続ける

実際の社会生活の中で「何のためにそれをするのか?」「なぜこれに決めたのか?」をいつも考えることは大切な習慣です。一人一人、考えの違う人が集まると、様々な意見がでることが当たり前です。

そんなとき、これまで行ってきたことが絶対に正しいという思い込みを捨て、積み重ねてきたことも柔軟に見直す思考も必要です。「大事なことはなにか」を考え、学び続けることで新しいことが分かることもあります。

非認知能力を伸ばす遊びや体験

非認知能力の中に、問題解決能力があります。問題を正しく認識し、最適解を見つける力です。
問題解決能力におすすめの遊びや体験は「ルールがあること」「失敗しても再チャレンジでする機会が持ちやすいこと」です。
スキルの習得や上達は目で見えて体で感じることができるため、自己肯定感、達成感、自尊心を上げやすいと言われています。

特別なプログラムではなく、日常の中でも体験し、培うことができます。

問題解決能力を培うおすすめの体験

  • 料理
  • スポーツ
  • ボードゲーム
  • イベントを企画、実行(誕生日会等) など

こうした日常の体験から、問題解決能力に必要な力を培う事ができます。

問題解決能力を培うおすすめの体験

  1. 論理的に問題が何であるか認識する力
  2. 仲間と協働する力(コミュニケーション)
  3. 知識、情報を扱う力
  4. リスクを読み、対応する力
  5. 実行する力

速読解・思考力トレーニングが「非認知能力」育成につながる

速読解・思考力講座は幼児から取り組むことができるICT教材です。読む力やそのために必要な能力、算数的思考力を楽しみながら鍛えることができます。

トレーニングでは学力テストでは数値化されない、がんばる力、好奇心、試行錯誤、心のタフさなどの非認知能力の育成を支援します。

トレーニングの特徴

  • 身近な目標(自己ベスト更新)を目指せる
  • 称賛アクションでがんばる意欲を持たせる
  • 豊富な脳トレで自分の得意を知る
  • 高得点を出す方法を試行錯誤できる
  • 失敗しても繰り返し挑戦できる

非認知能力を幼児期に育成することで、中学・高校生になったときに学力以外の力を実感するでしょう。例えばテスト結果の点数が低かった、部活で思うような結果が出なかったとしても、落ち込むだけではなく「成功のために試行錯誤する」「繰り返し挑戦する」力があれば、目標にむかってもう一度努力することができます。

緊張する環境でのプレッシャーをコントロールできたり、予想通りにいかない日常生活も、自分なりの答えを見つけたり、コミュニケーションをとって周りの人と励まし合うなど、総合的な人間力が培われていきます。

まとめ

「非認知能力」は数値では表せない心の力

  • 非認知能力には目標の達成、他者との協働、情動の抑制などがある
  • 幼児教育では非認知能力が育まれ、大人になった時に収入などに差が出た
  • 料理やゲームなど日常生活で非認知能力を育むことができる

非認知能力は生きていく上で必要な力であり、種類が決まっているわけではありません。成功や失敗、他者とのコミュニケーショなど様々な体験を通して、数値では計れない、自分の世界を自分らしく切り拓いていく「非認知能力」を育みましょう。

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