小学生の記憶力を伸ばすには?伸ばすための生活習慣と覚え方のコツ【速読力向上に重要な5つの力】

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「漢字が覚えられない」「暗記が苦手」――そんな悩みは、記憶力の仕組みや学習法が合っていないだけかもしれません。
この記事では、小学生の記憶力の特徴と、家庭でできる効果的な伸ばし方をわかりやすく紹介します。

「記憶力」は文章を速く正確に読むために重要な力のひとつでもあります

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記憶力には3つの種類がある

「記憶力」とひとことで言っても、実は役割の違う3つの種類があります。

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それぞれを理解しておくと、子どもがどこでつまずいているのかが見えてきます。

短期記憶(ワーキングメモリ)

「短期記憶」とは、一時的に情報を保持し、処理するための「作業机」のような記憶のことです。
例えば、黒板に書かれた内容を見ながらノートに写す、文章を読みながら問題を解く、といった学習の土台になる力のことを言います。

短期記憶の容量が小さいと、見たもの・聞いたことをすぐに忘れたり、同時に複数の情報を扱ったりすることが苦手になります。
子どもの場合は特に、発達の個人差が出やすい部分です。

出典:Baddeley, A.D. & Hitch, G.J. (1974). Working Memory Model.
出典: Baddeley, A.D. (2000). The episodic buffer: a new component of working memory.

長期記憶(知識として保存される記憶)

「長期記憶」とは、いわゆる「覚えた知識」のことです。例えば、漢字の形、九九、理科の用語などを長く保存する記憶のことを指します。

短期記憶から必要な情報を繰り返し取り込むことで定着していきます。
ただし、覚えたつもりでも、反復が足りないとすぐに抜け落ちてしまうのも長期記憶の特徴です。

出典:Squire, L. R. (1992). Memory and the hippocampus: A synthesis. Psychological Review.

エピソード記憶(体験と結びつく記憶)

エピソード記憶とは「家族旅行で見た滝」「自由研究で触ったザリガニ」など、体験とセットで保存される記憶のことです。学習と体験が結びつくと、忘れにくくなります。
社会や理科が得意な子に多いのは、このエピソード記憶が自然と働いていると言えます。

出典:Tulving, E. (1972). Episodic and semantic memory.

小学生の記憶力が「未成熟」に見える理由

どうしてあの子は覚えられるのに、うちの子は覚えられないの?

そんな疑問を抱く親御さんに知っておいてほしいのが、記憶力の多くは“成長途中”だということです。

子どもの脳はまだ“処理容量”が発展途上

ワーキングメモリ(短期記憶)は、年齢とともに少しずつ容量が増えます。小学生のうちは、情報処理が追いつかず、「見たそばから忘れる」「文章を読み切れない」「複数手順の問題で混乱する」といった「学習のモタつき」が出やすくなります。
これは、性格ではなく成長段階として自然なことなのです。

「性格」ではなく「環境」と「学習法」が記憶力に影響

「暗記が苦手=向いてない性格」と決めつける必要はありません。
記憶力には「睡眠」「学習リズム」「暗記法」「注意の持続」など、環境やスキルの影響の方が大きいとされています。
つまり、正しい方法を身につければ、誰でも伸ばすことができるのです。

記憶力が弱く見えてしまう「よくある原因」

記憶力が弱く見えてしまうのは、実は、記憶力そのものが弱いのではなく、“覚えられない状況”になっているだけのことも多いです。

その原因を紐解いていきます。

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理解せずに“丸暗記”しようとしている

子どもが覚えられないとき、実は「理解できていないまま暗記しようとしている」ケースはとても多いです。
意味や背景がわからないまま言葉や漢字の形だけを覚えようとすると、脳はそれを“重要な情報”として扱いにくく、すぐに忘れてしまいます。

例えば、漢字なら「成り立ち」や「へん・つくりの意味」を少し話すだけで、記憶の質が大きく変わります。 理解と暗記が結びつくと、脳は情報を整理しやすくなり、長期記憶として残りやすくなります。

一度覚えて終わりにしてしまう

「一度覚えたから大丈夫」と思って終わってしまうと、記憶はほとんどが数日以内に消えてしまいます。子どもの脳は特に忘却が早いので、“覚えたあとにどう復習するか” が記憶力アップのカギになります。

短い時間でも良いので、1日後・3日後・1週間後など、少しずつ間隔を空けて復習するだけで定着率は大きく上がります。「今日の漢字を3つだけ書く」「昨日の理科のポイントを口で説明する」など、軽い復習の積み重ねが効果的です。

暗記が苦手に見える子ほど、反復の仕組みを整えるだけで見違えるように覚えられるようになります。

アウトプットが少ない

覚えた知識を“外に出す”アウトプットが少ないと、脳は「本当に大事な情報なのか」判断できず、記憶に残しにくくなります。書く・読むだけのインプット中心の勉強は、実は定着率があまり高くありません。
一方で、覚えた内容を誰かに説明したり、問題を解いたり、音読して言語化するアウトプットは記憶を強く刺激します。

特に小学生は“言葉にして説明する”ことで理解が深まり、自分の頭の中が整理されていきます。家庭では「今日習ったことを教えて」と軽くお願いするだけでも十分効果があります。

注意が散漫・学習環境が整っていない

記憶力の問題というより、「注意の持続が難しい」ことで覚えにくくなっている子も少なくありません。例えば、テレビの音、スマホ通知、遊び道具など、周囲に気を取られるものがあると、脳が情報に集中できず記憶に入りにくくなります。

集中力が続かないときは、机の上をスッキリさせる・5分だけ集中する「タイマー学習」にするなど、環境や方法を整えるだけで大きく変わります。
また、学習時間が長すぎても逆効果なので、短時間×回数で区切ると注意力が保ちやすくなります。

「記憶力が弱い」のではなく、集中できる環境が整えばぐっと覚えやすくなる子はとても多いです。

家庭でできる!記憶力を伸ばす生活習慣

記憶力は学習だけで作られるわけではありません。

生活習慣の質も、大きく影響しますよ。

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睡眠(成長ホルモンと記憶の定着)

睡眠中に脳は記憶を整理し、「覚えるべき情報」を長期記憶へ移します。寝不足や寝る時間がバラバラだと、この作業が不完全になり、暗記効率が下がります。
小学生は9〜11時間の睡眠が理想と言われていますので、できるだけ理想の睡眠時間を確保できるような生活スタイルを保つと良いでしょう。

出典:Rasch, B. & Born, J. (2013). About sleep's role in memory. Physiological Reviews.
出典:Walker, M.P. (2005). A refined model of sleep and memory.

食事(脳のエネルギー源)

脳はブドウ糖を主なエネルギーにして働きます。

  • 朝ごはんを抜かない
  • 炭水化物とタンパク質をセットにする

など、基本的な食事だけでも集中力が変わります。魚に含まれるDHA・EPAも記憶に関わるとされます。

出典:Benton, D. (2010). The influence of dietary carbohydrates on behavior. Nutrients.

運動(海馬を刺激する)

運動は海馬(記憶を司る器官)を活性化し、記憶力アップに関係すると研究で示されています。
特別な運動でなくても、「公園で走る」「鬼ごっこ」「帰り道を歩く」ということだけでも効果は十分です。

出典:Erickson, K. I. et al. (2011). Exercise training increases size of hippocampus and improves memory. PNAS.

勉強が苦手な子に効く「覚え方のコツ」

ここでは、家庭でできて効果が出やすい「科学的に正しい覚え方」を、具体例とともに紹介します。

今日から1つでも取り入れれば、子どもの“覚えられる感覚”が確実につかめるようになりますよ!

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アウトプット学習(説明・音読・問題演習)

アウトプットとは、覚えたことを「外に出す」行動のことです。
説明する・問題を解く・声に出すなど、学んだ内容を脳がもう一度処理する動きが生まれるため、記憶の定着率が一気に高まります。

特に小学生は、自分で整理する能力が発展途上なので、自分の言葉に置き換えることで理解が深まり、記憶が“使える知識”に変わっていきます。
国語なら登場人物を説明する、社会なら“なぜそうなったのか”を言葉にするなど、短くても大きな効果があります。
説明することで自分が理解していない部分にも気づけるため、覚えられない原因そのものを見つける手がかりにもなります。

間隔反復(エビングハウスの忘却曲線の応用)

覚えた直後は覚えていても、時間が経つと忘れてしまう──これは誰にでも起きる自然な現象です。そこで重要なのが「間隔反復(かんかくはんぷく)」です。
短時間でもよいので、1日後・3日後・1週間後と、少しずつ間隔をあけて復習していくと、長期記憶に残りやすくなります。

この方法は暗記が苦手な子ほど効果が出やすく、「昨日やったことを軽く確認するだけ」で成績が伸びることも珍しくありません。
例えば、漢字を一度たくさん書くより、1日後に3つだけ書いて思い出すほうが記憶に残ります。理科や社会でも、前に覚えた範囲を“思い出す”ことが大事で、問題を1〜2問解く、親が簡単に質問するなど、負担の少ない復習でも十分です。
短く・細かく・くり返す──これが記憶定着の最短ルートです。

出典:Ebbinghaus, H. (1885). Memory: A Contribution to Experimental Psychology.

体験と結びつける記憶法(エピソード記憶の利用)

記憶は、ただ情報を聞いたり書いたりするより、「体験にくっついている情報」ほど忘れにくいと言われています。これを活かしたのがエピソード記憶を使った覚え方です。
例えば、社会の地理なら実際に地図を広げて旅行の話をする、理科なら実験動画を一緒に見るなど、“体験した気持ち”を作ることで、知識に感情やイメージが追加され、記憶が強く残ります。

経験・イメージ・音の3つの情報が一緒になることで、脳が「大事な情報」と判断しやすくなるためです。
小学生は感覚で覚える力が強いので、エピソードを利用した記憶法は特に相性がよく、楽しく覚えられる方法としておすすめです。

出典:Tulving, E. (1972). Episodic and semantic memory.

漢字・社会・理科でも使えるコツ

科目ごとに「覚えやすくするポイント」を押さえると、暗記への苦手意識がグッと減ります。

漢字

意味と形を結びつけることで、丸暗記より定着が圧倒的に良くなります。

  • へん・つくりの意味を一緒に覚える
  • 語源(成り立ち)を軽く調べる
  • 家の中に貼るより“その場で思い出す練習”を優先する

社会

ストーリーがあるほど覚えやすくなる科目です。

  • 因果関係(理由)を一緒に話す
  • 地図・写真・動画など、視覚情報をセットにする
  • 「なんで?」と子どもが思ったタイミングを大切にする

理科

抽象的な内容も、具体例を使うと一気に理解が進みます。

  • イラストで仕組みを理解する
  • 実験動画や体験を交えて“イメージ”を持たせる
  • 身近な出来事(天気・植物・電気など)と絡めて説明する

速読解力講座の記憶力トレーニング

速読解力講座は、一人ひとりの読書速度に合わせた速読トレーニングを通して、速く正確に読み解く力を鍛えます。

「記憶力」は読解基礎力のひとつで、読み解くうえで必要な能力です。
読解速度を向上させるためには読解基礎力の「全体把握力」「理解力」「思考能力」「検索力」「記憶力」をバランスよく鍛えることが重要です。

短期記憶力トレーニングでは、読んだ内容や言葉を記憶する力を鍛えます。短期記憶力は早く読むために必要な能力のひとつです。

受講生のトレーニング100回分の記録から、1回目と100回目のトレーニングを比較すると、約300点増加していることがわかりました。人によって差はありますが、トレーニングを続けると短期記憶力も伸びてくることがわかります。

短期記憶力を含む読解基礎力は様々な教科で基礎の土台になる力です。小学生のうちからトレーニングをしていくことが大切です。

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  • 読書経験を増やしたい
  • 自分にあったトレーニングをしたい
  • 語彙を増やしたい

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まとめ

小学生の記憶力は成長途中!
規則正しい生活習慣や覚え方のコツを実践してみましょう

  • 記憶には種類があり、全ての記憶が学習に関わっている。
  • 小学生の記憶力は発達途中で、やり方や環境によって大きく伸びる。
  • アウトプット・間隔反復・生活習慣の改善で記憶は確実に強くなる。

子どもの「覚えられない」は、記憶力が低いわけではなく、脳の成長段階や学習方法が合っていないだけのことが多くあります。記憶の仕組みを理解し、家庭でできる生活習慣の改善や、アウトプット・間隔反復といった効果的な学習法を取り入れることで、記憶の定着は大きく変わります。今日から少しずつ取り組むだけで、子どもの自信や学習意欲はしっかり育っていきます。

監修

一般社団法人 日本速読解力協会

1998年設立。全国の教育機関を通じた速読解教育による学力・仕事力向上と読書支援を継続的に推進し、社会に貢献、活躍する人づくりを目指す。

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