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「特別の教科 道徳」開始!読書の後には意見を交わしてみよう

小学校では平成30年度から、中学校では平成31年度から「特別の教科 道徳」(道徳科)が始まります。
「特別の教科」とついているように、教科になったからといって、他の教科と同じようにテストの点数によって評価されるわけではありません。

では、どうやって評価されるのでしょうか?
詳しく見ていきましょう。

今までの道徳とどう違うの?

検定に通った教科書を使い、週1回の授業になる

今までの道徳は、使う教科書は「副読本」と呼ばれるもので、学校の判断に任されてました。それが、教科化されることで「教科書」に代わります。教科書のため、検定が必要になり、検定に通った教科書を使います。また、週に1時間・年間25単位の位置づけをしっかりして計画的に進めることになります。

感じる道徳から「考え、議論する」道徳に

また、内容について今までの道徳では登場人物の「気持ち」を考える内容が主となっていました。これからの道徳は「善・悪」を考え、友達や先生の意見を聞き、話し合うことで気づきを得る「考え、議論する」授業に変わっていきます。

どうして教科化されるの?

教科化される背景として、いじめの問題があります

教育再生実行会議第一次提言「いじめ問題等への対応について」(平成25年2月)
いじめ問題が深刻な事態にある今こそ、制度の解決だけでなく、本質的な問題解決に向かって歩み出さなければなりません。(中略)
しかしながら、現在行われている道徳教育は、指導内容や指導方法に関し、学校や教員によって充実度に差があり、所期の目的が十分に果たされていない状況にあります。」教育再生実行会議 いじめの問題等への対応について(第一次提言)

いじめは悪いとわかっていながらも、複数の人間が集まれば、考えが違う人がいたり、格差が生じ、グループ化されて異なる他者が生まれます。いじめは、いじめられた人はもちろん、いじめた側の人も心に大きな傷が残ります。

平成28年11月,当時の文部科学大臣
―いじめられた子供は,学校に通えなくなったり,心身の発達に重大な支障を生じたり,尊い命が絶たれるという痛ましい事案も発生しています。いじめた子供も,法律又は社会のルールに基づき責任を負わなければならない場合があるとともに,その心に大きな傷を残します。「いじめのつもりはなかった」,「みんなもしていたから」ではすみません。また,いじめられている子供を見ていただけの周囲の子供も,後悔にさいなまれます。  子供たちを,いじめの加害者にも,被害者にも,傍観者にもしないために,「いじめは許されない」ことを道徳教育の中でしっかりと学べるようにする必要があります。―
「いじめに正面から向き合う『考え,議論する道徳』への転換に向けて」より一部抜粋。

他にも、社会の国際化やインターネットを通じた情報の使い方、SNSでのコミュニケーション問題など、新しい道徳教育の実用性が強く求められています。

どうやって評価されるの?

点数ではなく、日々のノートや取り組みからの成長を評価

教科化すると、評価も導入されます。しかし、点数による評価ではありません。
評価は、生徒が自らの成長を実感し意欲の向上につなげるために、教員が生徒の学習状況を把握しその結果を踏まえ自らの指導について改善を行うために必要なものです。新学習指導要領解説では評価について次のようなことが示されています。

新学習指導要領解説
児童生徒の学習状況や道徳性に係る成長の様子を継続的に把握し、指導に生かすよう努める必要がある。ただし、数値などによる評価は行わないものとする。

評価は1単位時間の授業やテーマごとではなく、長期的な個人の成長や道徳的価値の理解の深まりを見ていきます。
授業でのノートやワークシート・質問用紙への記述、他の生徒の発言について考えを深めようとする姿にも着目することも重要です。
通知表への評価記述法については、法令上の規定はなく、各学校が独自に行なっています。また、道徳科の評価は調査書には記載せず、入学選抜の合否判定に活用しないようにする必要があります。

読書を通じて様々な文化や価値観に触れる

自分とは違う考え、感じ方がをする人がいるということを理解する

道徳教育は、家庭・学校・地域が連携することが重要です。さらに、家族や親しい友人以外の環境や考えの違う他人の意見を聞くことや、海外の文化に触れるこもとても大切です。
しかし、そういった機会をすぐに準備することは難しいかもしれません。そんなときは、読書を通じて様々な人の考え方や、文化に触れることもひとつの手段です。たとえば、夏休みの読書感想文の機会を使って、本人だけの感想だけでなく、保護者の方や友人はどう考えたか意見を聞き、その考えについてどう思ったを書くのもよいでしょう。

小説などの物語はもちろんですが、文化や専門の本を読むことも、知識をつけることだけではなく、違う文化で生活する人やがどう物事を捉えているのか「他者理解」にもつながり、新しい知識を得ることで違う見方ができるようになるでしょう。

読書では内容によって、速読や熟読など読み方を変えてみよう

情報は「速読」、感情は「熟読・遅読」

日本速脳速読協会の「速読トレーニング」では斜め読みや飛ばし読みではなく、理解をともなった読み方を訓練します。しかし、時にはひとつのセリフや1文に込められた思いや感情をじっくりと感じ、考えながら読むことも大切です。
大量の情報や知識をつける時には「速読」、物語やエッセイなど人の感情や情景を思いながら読むときには「熟読・遅読」というように、いろいろな読み方を身につけて、読むことを楽しんでください。

まとめ

感じる道徳から、考え、議論する道徳へ

情報やインターネットが発達した現代社会では、生活環境や文化の違う様々な人々に出会うことになります。物語を読み「悲しい」「かわいそう」といった感情を想像するような道徳から、どうしてそう感じたのか、自分と違う考えの人はなぜそう考えたのか、多面的・多角的に考える道徳に変わります。
社会では必ずしも答えがあるわけではなく、また複数の答えがあり、さらに発展した考えをする必要も出てきます。
道徳は未来を切り開いていく子どもたちにとって自身の「生きる力」となり得ます。自分の考えを説明し、他者と理解し合うための資質・能力を育むためにも、自身の成長を感じながら取り組みましょう。

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