小学校低学年で分数につまずかないために!家庭でのサポート方法を紹介
公開日:2025.05.21
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分数は普段の生活では馴染みがないため、小学生にはイメージしにくいことがあり、苦手になってしまう子どもが多いです。
しかし、家庭での声かけなどでサポートすることができます。

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目次
分数が苦手に感じる理由
普段使わないのでイメージしにくい
小学生が分数を苦手と感じる理由の一つに、「普段の生活の中で分数を使う場面が少ない」という点があります。
整数や小数は、身長や体重など生活の中で使われます。しかし、分数は使われる頻度が低いため具体的なイメージをしにくく、なじみにくいのです。
例えば、ピザを切り分ける場面や料理で分量を測る場面など少し工夫しないと、視覚的に分数を把握するのが難しくなります。
今まで習った「整数」と性質が違う
小学生が分数に苦手意識を持つもう一つの理由は、これまで習った「整数」と分数の性質が大きく異なるからです。
整数では単純なたし算やひき算が成り立ちますが、分数では分母を揃えるなど新しいルールが必要になります。
この違いが、分数を特別難しいものだと感じさせてしまう原因の一つです。
計算方法が難しい
分数の苦手意識を持つ背景には、その計算方法の複雑さもあります。
分母を揃える分数のたし算やひき算、さらには分数同士の掛け算や割り算は小学生にとって新しい概念で、一度の学習で完全に理解するのは簡単ではありません。
問題を解く際の手順が多く、ミスも起きやすいため、繰り返し練習やサポートが必要となります。
わかりやすく分数をイメージする方法
まずは「半分」の考え方から
子どもたちにとって「半分」の概念は比較的理解しやすい概念です。
例えば「ここにあるお菓子を半分ずつに分けてみよう」のような取り組みで「(全体を)2つに分けたうちの1つ」という考え方を知ることができ、そこから「1/2」を理解しやすくなります。
小学校低学年でつかったおはじきなどを使ってみるのも良いかもしれません。
ケーキやピザを切り分けてみる
分数は日常の中で具体的に触れることで理解しやすくなります。
ケーキやピザを実際に切り分けてみることで、分数の「分母」と「分子」を視覚的に理解することができます。
例えば、ケーキを4等分した場合、1切れを「1/4」、2切れを「2/4」と表現できます。
こうした日常的な物を使った実践は、小学生が分数を楽しく学べる良い方法です。
料理で分量を測ってみる
料理は分数を学ぶための教材になります。
レシピには「1/2カップ」や「小さじ1/2」など、分数を使った計量が登場することが多くあります。
親子で一緒に料理をしながら計量カップやスプーンを使うことで、小学生に分数の使い方を実感させることができます。
このように実生活の中で分数を使う場面に触れることで、分数の概念がより身近なものとなります。
整数を分数にするとどうなるか考えてみる
整数と分数の関係性を示すことも分数の理解を深めるために効果的です。
たとえば、数字の「1」を「1/1」と表すことができ、「2」を「2/1」とすることで、分数が整数と密接に関連していることを学ぶことができます。
また、これを具体的に示すには、ピザを1枚用意して「1」、そのピザを切り分けて「2つに分けたうちの2つだから2/2になるね」や、さらに半分に切って「4つに分けたうちの4つで、4/4だね」のように説明するのも効果的です。
こうすることで、分数が単なる新しい概念ではなく、馴染みのある整数とも関係があることを理解させることが可能です。
また、「2つに分けたうちの1つ=1/2」と「4つに分けたうちの2つ=2/4」が同じ大きさであることも視覚的に理解ができるようになります。
分数のたし算・ひき算のポイント

まずは分数の大きさを理解する
分数のたし算やひき算を理解するためには、まず分数の大きさを比較できることが大切です。
分数は単に「数字」として捉えるのではなく、全体のうちの一部分を表していることを子どもにイメージさせることが重要です。
例えば、1/2は1個のケーキを真ん中で切ってその半分を取った状態を示します。
このように視覚的にイメージしやすい例を用いて、小学生が分母や分子の役割をしっかり理解できるようにサポートしましょう。
分数を言葉で説明できるようにする
分数を正確に理解するためには、自分の言葉で説明できるようになることが大切です。
「1/4は1つのものを4つに分けたうちの1つ分を表している」というように、分母と分子の意味を言葉で整理すると分数の本質を捉えやすくなります。
このように言葉で説明する活動を取り入れることで、子どもが分数の仕組みをより深く理解できるようになります。
家庭での会話や日常の中で、分数について質問を投げかけるのも効果的です。
問題集などで繰り返し解く
分数のたし算やひき算を習得するには、基本的な理解をしたうえで、実際に問題を解いて練習することが必要です。
小学生向けの分数の問題集を活用し、様々なパターンの問題に取り組むことで、反復して知識を定着させることができます。
特に、分母が異なる数を通分して計算する問題に慣れることが重要です。
家庭学習においては、初めは親がそばについて一緒に問題に取り組むと、安心して学習を進められるでしょう。
分数を理解する
分数とは、整数を使った割り算の結果を示す数の形式のことです。
分数は「分子」と「分母」の2つの要素から成り立っています。
例えば「1/2」という分数は、1つのものを2つに分けたうちの1つを表しています。
分数は日常生活でもよく使われるため、小学生が早い段階でしっかりと理解することが大切です。
分母と分子
分数を理解する際に重要なのが「分母」と「分子」の概念です。
「分母」とは、全体をいくつに分割するかを表しており、「分子」とはそのうち何個分を指すかを表します。
たとえば「3/4」という分数は、4つに分けたうちの3つを表す、という意味になります。
小学生には、身近な例を使って分母と分子を説明するとよいでしょう。
「わかりやすく分数をイメージする方法」で紹介しているケーキやピザを用いる方法はおすすめです。
具体物を用いて教えることで、分数に対するイメージがしやすくなります。
分母と分子の関係を理解するためには、「分母は全体の大きさを定義するもの」「分子はその中の一部を表すもの」という考え方を繰り返し確認することが大切です。
この基礎をきちんと押さえておくことで、その後の分数の計算や応用問題もスムーズに進めることができます。
分数の種類(真分数、仮分数、帯分数)
分数には「真分数」「仮分数」「帯分数」の3つの種類があります。学びはじめてすぐに理解する必要はありませんが、それぞれ特徴があります。
仮分数
分子が分母以上である分数です。たとえば「7/4」や「8/8」のように、分子が分母より大きい、または等しい形式です。
仮分数のうち、分子と分母が同じ(1になる)仮分数は、比較的理解しやすい小学生が多い一方、1より大きい仮分数(7/4や11/3など)は理解が難しいと感じる小学生も多く、練習が必要な部分と言えます。
帯分数
仮分数を「整数部分」と「真分数部分」に分けた形式です。たとえば「7/4」を帯分数に直すと「1と3/4」となります。帯分数は料理や買い物で使われることが多く、日常生活の中での活用例を見せながら教えると、小学生にも分かりやすくなります。
基礎となる計算力をトレーニング「算数的思考力講座」
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まとめ
普段の生活の中で分数を具体的にイメージしましょう
- 普段の生活で馴染みがなく整数とも性質が違うので、苦手に感じてしまう
- 料理は作ったり分けたりする時に、分数を身近に感じることができておすすめ!
- たし算、ひき算を解くために、まずは分数の大きさを理解する
保護者の方が日常生活の中で分数に関する意識を高め、楽しみながら学べる環境を作ることが、分数の理解を深める大きな鍵となります。家庭でのサポートを通じて、分数への苦手意識を乗り越えられるよう、積極的に取り組んでいきましょう!

監修
安田 哲
一般社団法人 日本速読解力協会 理事
約20年間にわたり首都圏大手進学塾の現場の最前線で、英語・国語を中心に指導。中学受験・高校受験の難関校への多数の合格者を輩出。科目の内容の指導だけでなく、家庭学習管理、生徒・保護者の皆様との面談を多数行う。大学院では言語学を専攻、英語以外の言語に関しても幅広い知識を有する。
真分数
分子が分母より小さい分数のことを指します。たとえば「1/3」や「2/5」のように、分子が分母を超えない形式です。このような分数は、1より小さい値を表します。