中1で英語につまずかないために!今からできる新中1生へ向けての学習のポイント

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楽しかった小学校生活も間もなく終わり、いよいよ中学校への入学が目前に迫ってきました。
新しい友だちや先生たちとの出会いも楽しみですね。「どんな部活動に入ろうかな」と思っている人も多いかもしれません。
一方で「勉強についていけるかな…」と不安に思っている人もいるのではないかと思います。

ここでは、新しく中学校に入学する皆さんに向けて、英語の学習方法のポイントをいくつかお伝えします。
英語が苦手になってしまった中学生にもヒントになる項目があるかもしれませんので、そんな皆さんもぜひお読みください。

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一般社団法人 日本速読解力協会 理事 安田 哲

ライター

安田 哲

一般社団法人 日本速読解力協会 理事

約20年間にわたり首都圏大手進学塾の現場の最前線で、英語・国語を中心に指導。中学受験・高校受験の難関校への多数の合格者を輩出。科目の内容の指導だけでなく、家庭学習管理、生徒・保護者の皆様との面談を多数行う。大学院では言語学を専攻、英語以外の言語に関しても幅広い知識を有する。

小学校とは英語の学習イメージが異なる

まず、一番初めに理解しておかなければいけないのが「学習のイメージが異なる」ということです。
「学習のイメージ」と言われてもよくわからないかもしれませんので、この後詳しく説明しますが、簡単にまとめると「小学校の英語とは異なる勉強もしなくてはいけない」ということです。

単語や文を「書く」ことが必要になる

皆さんは漢字テストというと、どのようなものを想像しますか。漢字を「読む」問題と、漢字を「書く」問題の出題を想像する人が多いでしょう。
英語の単語も同様で、単語を「読む」だけではなく「書く」ことができなければ、単語を習得しているとは言えません。(他にも「音で聞いて意味がわかる」と「伝わるように発音できる」という要素も必要ですが、これについては後で説明します)

中学校の「定期テスト」「中間テスト」「期末テスト」という言葉は耳にしたことがある人も多いでしょう。テストの場面では答案用紙に「書く」ことが必要です。
それ以外でも、単語テストを実施する先生もいますし、ワークの宿題でも英語を書くことが求められます。
小学校のうちは、単語を読んだり聞いたりすることが中心でしたが、ここからは「書く」ことをイメージして学習を進めましょう。

文の決まり(文法)を学んでいく

今読んでいるこの文章は、日本語のルールに従って書かれていますので、初めて読んでいる皆さんでも書かれている意味がわかります。
これが「ルール無視」で次のように書いてしまうと、何の話をしているのかをすぐに理解することはできませんね。

ルール無視の日本語

「では ます 中学校 の で の 英語 文 決まり を いき 学ん」

※中学校では英語の文の決まりを学んでいきます

英語だけでなく、どの言語にも「文法」と呼ばれる「文を作るうえでのルール」が存在します。
小学校の時にもある程度勉強している人もいるかもしれませんが、中学校以降はこのルールをしっかりと学んでいないと、正しい英語を使うことはできません。
例えば「私はコーヒーを飲みます」は I drink coffee. と言いますが、文のルールを無視して、drink「飲む」と coffee「コーヒー」だけを使って、Drink coffee. と言うと「コーヒーを飲め」と相手に命令する言い方になってしまいます。
これでは相手と良好なコミュニケーションが取れないばかりか、言いたいことが正しく伝わらないですよね。

読む量が増え、難しい内容も触れるようになる

これは中学校に進学するので当たり前のことだとは思いますが、最近の高校入試問題などを見ると、日本語で読んでもなかなか難しいなと感じるような内容が出題されています。
教科書の内容でも、日本の文化の紹介、職業体験に関する文章、観光地を紹介したウェブサイトの文章などのほか、ユニバーサルデザインやレッドリスト(絶滅のおそれのある野生生物の種のリスト)などの文章が出てきます。

もちろん、中1の最初からいきなり難しい文章が出てくるわけではないので安心して学習を進めてほしいのですが、英語の文章で出てきたテーマは興味を持って日本語でも調べてみる習慣をつけておくと、英文を読んだ時の理解度も深まるはずです。
高校入試問題や高校進学後の英語の授業では、自分の意見を書いたり発表したりする場面が出てきますので、その「自分の意見」をしっかりと作るためにも、いろいろな分野に興味を持てるといいですね。

中学校の学習は「最初が肝心」!

中学校の学習を順調に進めていくために重要なことは「最初」で失敗しないことです。
一般社団法人 日本速脳速読協会 理事 安田 哲

安田

例えば、最初の定期テストで平均点以下の点数しか取れなかったらどう考えますか。サボっていて、この点数だったら「仕方ないか」と考えるかもしれませんが、努力して勉強しても平均点以下だったら、きっと「この科目は自分の苦手科目だ」と感じてしまうことでしょう。
逆に、最初の定期テストで良い点数を取ることができたら「自分はこの科目は得意かもしれない」と感じるでしょう。

では、最初のテストの平均点が60点で、自分の点数が80点だったとします。次のテストで、同じく平均点が60点のテストで、自分の点数が70点だったら、どう感じますか。きっと「その次はもうちょっとがんばらないとマズいな」と感じることでしょう。
中学生ですから、親や学校の先生に「勉強しなさい」と言われてからやるよりも、自分で「がんばらないと…」という気持ちになって勉強できるようになりたいですね。

今から心がけておきたいこと…

では、いったいどのような勉強をしていけばいいのでしょうか。英語の勉強に絞ってお伝えしていきます。
中学校に入る前の今の時期からできることもあるはずです。

必ず「音」を使って勉強する

小学校の時の英語学習では「音」を使って勉強していると思いますが、中学校に入ると音を使う勉強から離れてしまう中学生が多く存在しています。
音を使って勉強した方が良い理由は次の3つです。

1)英語の音を聴いてわかるようにしなくてはいけない

これは小学校でも学習している通りです。
流れてきた英語の音声が何を喋っているのか…を正しく理解できるようにするためには、日頃から音を使った勉強をしておく必要があります。

2)発音できるようには音を正しく理解する必要がある

My mother is in the kitchen.「私の母は台所にいる」という文を正しく発音できますか。これを「ミュ モットヘル イズ イン テェ キットチェン」と読んだのでは(きっと)通じません。
正しく読むためには、正しい英語の発音を耳にする習慣をつけておく必要があります。単語の学習をするときや、まとまりのある文章を読んだ時など、必ず「音」を意識して勉強しておきましょう。

3)文字を見て音・意味が思い浮かぶようにする

例えば dog というつづりを見て「犬」という意味や「ドッグ」という音を思い出すのに、ものすごく時間が掛かってしまうという人はそれほど多くありません。cat「猫」や egg「卵」なども同じです。
中学校に入学すると長い単語が増えてきます。少しずつで構いませんので、長い単語が出てきた時にも、すぐに音と意味が思い浮かぶようにすることが重要です。

「書く」ことに少しずつ慣れていく

先にも触れましたが、テストや入試では「書く」ことが求められます。
英語は「話す」タイミングだけではありません。手紙やメール、メモなど「文字に残す」というスキルもあわせて鍛えていかなければなりません。
その上で、注意しておかねばならないのは以下の3つです。

1)アルファベットの正しいルールで書く

英語を学習する「4線のノート」を見たことはありますか?小学校の英語の教科書でも見たことがある人もいるかもしれません。
アルファベットを書くときには、4線の上から3本目の基本線を基準にして、正しい大きさで書く必要があります。
自分の名前や家族の名前をローマ字で書いた経験はあるかもしれません。正しく書けているか、保護者の方や先生にチェックしてもらうとよいでしょう。

2)単語と単語の間は空けて書く

日本語は単語と単語の間は空けませんが、「、(読点)」と「。(句点)」を適宜使って読みやすくなっていますね。英語の場合にも「,(コンマ)」と「.(ピリオド)」はありますが、必ず単語ごとに分けて書くというのがルールです。今使っている教科書を真似て書く練習をしてみてもいいでしょう。

3)英語の発音とつづりの関係を理解する

例えば「名前」は「ネイム」と発音しますが、neimuではなく name と書きます。「飛行機」は「プレイン」ですが、plein ではなく plane と書きます。このように、ローマ字で発音を書くのではない「英語の綴り」を覚えておかなければなりません。
発音とつづりの関係で「フォニックス」という方法があり、教科書などにも紹介されていることがありますので、知っている人もいるかもしれません。先にも触れましたが、必ず「音」を使って勉強しよう、というのはこのことからもわかりますね。

わからないことはすぐに解決しよう

これは英語だけに限りませんが、小学校よりも速いスピードで授業が進みます。わからないことを「そのうちわかるだろう…」と思って放置してしまうと、いつの間にか「手遅れ」になってしまいます。
特に、英語は最初の段階でつまずくと、どんどん学習が大変になってきてしまいます。わからないこと、不安に思うことがあれば、すぐに学校の先生や塾の先生に質問して、解決するようにしていきましょう。

音を使って英語のトレーニング「速読聴英語講座」

「速読聴英語講座」では、単語を音声を使って学んだり、長文のリーディングだけでなくリスニングもトレーニングできたり、英語を学習するポイントである「音」を使ってのトレーニングを行うことができます。

トレーニング例

トレーニングは自分の読むスピード(wpm)にあったレベルではじめることができます。コース1は短い文章から始まり、後半になるとまとまりのある文章も出題されます。長文もスラスラ読めるようにトレーニングしていきます。

まとめ

小学校とは英語の学習イメージが異なる!
中学入学前から心がけることで、「最初」に苦手意識を持たないようにしよう

  • 中学校の英語は小学校と異なり、「書く」ことや文法の理解が必要になる
  • 長文になり文章の難度も上がっていく
  • 最初の学習段階での成功体験が重要で、音を使った学習、正しい書き方の習得がポイント

中学校での英語学習は特に「書く」「文法の理解」が重要となり、さらに文章量も増え内容も難しくなります。音声学習を取り入れながら、わからないことはすぐに解決することを意識しましょう!

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