2025年は大阪で開催!万博ってどんなイベント?子ども向けにわかりやすく解説

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万国博覧会、略して「万博」というイベントは聞いたことがありますか?
2025年は大阪で開催されることが決まっており、準備が進められています。

今回は万博についてわかりやすく紹介します!

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万博って何?

そもそも万博とはどういうイベントで、開催のきっかけは何なのでしょうか?

万博は「万国博覧会」の略称

万博は「万国博覧会」を略した呼び方で、EXPO(エキスポ)と呼ばれることもあります。
他にも世界博覧会、万国博、国際博覧会など、さまざまな呼び方があります。

万博のはじまりは?

1851年、ロンドンのハイドパークで開かれた「第1回ロンドン万国博覧会」で万博の歴史が幕を開けます。
この万博は通称「大博覧会The Great Exhibition」とも呼ばれ、25カ国が参加しました。

当時はビクトリア女王の時代、女王の夫君アルバート公の活躍で開催にこぎつけ、その結果は大変な評判になりました。
1851年と言えば日本では嘉永4年、ペリー来航の2年前です。

日本が初めて万博に出展したのは、1867年(慶応3年)の第2回パリ万博からでしたが、当時は万博が一種の流行となっており、毎年どころか1年のうちに2~3カ所で開催された年もありました。

第一次大世界戦後には、現代の万博のように「テーマ」を持った万博が始まります。
また、1928年には国際博覧会条約が署名され、万博はこの条約を基準に秩序をもって開催されることになりました。

参考:万国博覧会とは?|外務省

日本で行われた万博

日本と万博の関係

日本と万博との関わりは、1862年に日本の遣欧使節団が第二回ロンドン万国博覧会を視察したことから始まります。
その次の1867年の第二回パリ万博で、日本は初めて出展しました。しかし、当時の日本の政情を反映して、「徳川幕府」、「薩摩藩」、「鍋島藩」それぞれが出展するという状況だったので、「日本」として始めて公式に参加したのは、1873年のウィーン万博です。

日本で万博を開催しようという動きは、1890年にありましたが、時期尚早ということで見送られ、1940年の開催に向けての準備が行われました。
これは、神武天皇即位紀元(皇紀)2600年を記念した「東西文化の融合」をテーマとする万博で、東京・横浜が会場になるはずでした。
実際に入場券が印刷、発売されるところまで準備が進んだのですが、第二次世界大戦の勃発とともに1938年に中止が決定されました。
東京中央区にある勝鬨橋は、この幻の万博のために建設されたものです。

引用元:中央区ホームページ/勝鬨橋(かちどきばし)

日本で初めて万博が開催されたのは1970年の大阪になりました。

名称 開催場所 開催時期 参加国数(日本含む)
日本万国博覧会
(大阪万博)
大阪府 1970年3月15日~9月13日(183日間) 77カ国
4国際機関
沖縄国際海洋博覧会 沖縄県 1975年7月20日~1976年1月18日(183日間) 36カ国
3国際機関
国際科学技術博覧会 茨城県 1985年3月17日~9月16日(184日間) 48カ国
37国際機関
国際花と緑の博覧会 大阪府 1990年4月1日~9月30日(183日間) 83カ国
37国際機関
18園芸関係等の国際団体
2005年日本国際博覧会
(愛・地球博)
愛知県 2005年3月25日~9月25日(185日間) 121ヵ国
4国際機関

参考:日本における万国博覧会|外務省ホームページ

2025年は大阪が開催地

2025年の万博は大阪府で開催されます。
「2025年大阪・関西万博」と呼ばれていて、 2005年に開催された愛知県での「愛・地球博」に続き、20年ぶりに日本で開催されます。

名称 2025年日本国際博覧会
(略称「大阪・関西万博」)
開催場所 大阪府夢洲(ゆめしま)
開催期間 2025年4月13日~10月13日(184日間)
テーマ いのち輝く未来社会のデザイン
DESIGNING FUTURE SOCIETY FOR OUR LIVES

2025年大阪・関西万博で私たちが体感できること

大阪・関西万博のテーマ「いのち」を体感

コロナを経験した時代だからこそ、改めて 「いのち」の原点に向き合う重要性が高まっています。
世界各国や各界トップランナーが創出する、「いのち輝く未来社会」に向けた事業・取組を通し、学校の中で体感できない学びを得ることができます。

SDGs達成への取り組みを体感

SDGsが達成された世界を描く公式参加パビリオン、民間パビリオンなどのSDGs達成に向けたチャレンジを体感することで、未来社会について主体的に考え行動するきっかけとなります。

日本と世界の文化を体感

大阪・関西万博は150の国・地域と25の国際機関が参加する世界最大の国家イベントです。
世界中の多様な文化・価値観に触れ、会場内で毎日実施されるナショナルデーや国際交流イベントを体験することで、多様性溢れる世界を理解するとともに、日本の魅力を再発見することができます。
また生き方や価値観の多様化する国際社会の在り方についても考えられます。

未来社会を体感

万博では未来の技術や商品が集まり、生活が便利になる「きっかけ」となります。
大阪・関西万博では会場全体が「People’s Living Lab(未来社会の実験場)」となり、空飛ぶクルマをはじめ最先端技術を体験できます。

参考:EXPO2025 大阪・関西万博公式Webサイト

大阪府内在住や在学している子どもを2025年大阪・関西万博に招待!

詳細はまだ決まっていませんが、大阪府内に在住または在学している4歳から高校生までの子どもたちを対象に、2025年大阪・関西万博の入場料が無料になるチケットを配布したり、学校行事として招待すると、2023年8月に大阪府が発表しました。

4歳・5歳の子どもたちには入場チケットを配布、小中高生については校外学習として参加できるように検討中とのことです。

万博の豆知識

1970年に開催された日本万国博覧会(大阪万博)について知らないことも多いのではないでしょうか?
豆知識をいくつかご紹介します。

「太陽の塔」には顔が4つある

太陽の塔は、芸術家の岡本太郎がデザインし、1970年に開催された日本万国博覧会のシンボルゾーンにテーマ館として、母の塔・青春の塔・大屋根(長さ(南北)292メートル、幅(東西)108メートル、高さ約40メートル)とともにつくられました。

「太陽の塔」は、頂部の「黄金の顔」、正面の「太陽の顔」、背面の「黒い太陽」の3つの顔を持っていますが、博覧会当時テーマ館の地下展示には「地底の太陽」といわれる顔も展示されていました。
「地底の太陽」は、高さ約3メートル、全長約11メートルにもなる巨大な展示物であったとされていましたが、博覧会終了後の撤去作業から50年近く経った現在も行方がわからない状態となっています。

参考:太陽の塔とはー「太陽の塔」オフィシャルサイト

いまでは当たり前のものが万博から広がった

・ワイヤレステレホン

現在のスマートフォン(携帯電話)のもととなったものです。
見本としての展示ではなく、会場にいる人同士や、日本国内の通話使用ができ、さらに電卓の機能も内蔵されていました。

・エアドーム

アメリカ館にも使用されていた、空気で膨らませるテント屋根のことです。
現在ドーム型のスタジアムで使用されていますが、実は日本の会社が作っているんです!

・電気自動車

ガソリンを使わずに電気の力で走る自動車は、近年広く普及してきていますね。
当時は「未来の乗り物」として登場し、来場者用のタクシーに使われていました。

他にも缶コーヒーが広く普及したのは大阪万博からだと言われています。
2025年の万博で展示される「未来の技術」の中にも、将来当たり前に使われるようになる物があるかもしれませんね。

参考:大阪万博でデビューした物|教えて!かんでん|関西電力

万博に関する本を紹介

2025年大阪・関西万博 SDGsガイドブック

監修: 多田孝志
著: 稲葉茂勝
研出版

2025年大阪・関西万博とその目的であるSDGsについて解説する。
パート1は、「万博」について詳しく説明。万博の歴史や、日本で開催された万博について紹介。
パート2は、2025年大阪・関西万博(SDGs万博)について紹介。テーマ、目的について、それぞれ詳しく解説する。
パート3は、大阪・関西万博の目的の一つである「SDGs達成への貢献」に関連し、SDGsについて詳しく解説。SDGsの各目標の「テーマ」「最終目標」「ターゲット」を紹介。
パート4は、SDGs万博開催前にSDGsをどのように自分ごとにして取り組んでいけば良いのか、様々なSDGsに関する実践事例を交えて紹介。

参考:文研出版ホームページ

万博入門 新世代万博への道

平野暁臣
小学館クリエイティブ

2025年の万博開催が決まり、これから本格的な準備作業がはじまります。
本書は、これから万博に関わろうとする人や万博をもっと知りたいという人の需要に応えるもので、万博研究の第一人者である著者が、万博の歴史を俯瞰しながら本質と課題をわかりやすく整理するとともに、21世紀の万博を考えるうえで大切なことはなにかを解説します。

参考:小学館クリエイティブホームページ

昭和ちびっこ広告手帳2 大阪万博からアイドル黄金期まで

編集おおこしたかのぶ/ほうとうひろし
青幻舎

昔懐かしい子供社会への時間旅行へようこそ!

ここに収録されているのは昭和40年代後半の《ちびっこ広告》たちです。 人気作品は単行本やTVアニメとなり永遠の命を手に入れましたが同時にその誌面を飾っていたカラフルな広告は絶滅状態でした。そこで現存する古書を元にデジタルの力を借りて当時の色合いを完全再現し21世紀に残すことを目的としたのが本シリーズです。

参考:青幻舎ホームページ

まとめ

万博は未来と世界を知れる絶好のチャンス

  • 万博の始まりは1851年の第1回ロンドン万国博覧会
  • 日本では過去に5回開催されていて、2025年には大阪で開催される
  • 1970年の大阪万博で展示された「未来の技術」で当たり前になっている物がある

万博は世界各国が集まって、文化の共有や技術の発表し合う素晴らしい場です。訪れる人たちは新しい発見に出会い、未来に向けて期待をふくらませることでしょう。過去に万博の会場となった跡地は公園などに生まれ変わり、気軽に訪れることができます。2025年大阪・関西万博に向けて、過去の万博跡地を訪れて、万博の歴史や当時の文化・技術に触れてみるのもいいかもしれませんね。

一般社団法人 日本速読解力協会 理事 安田 哲

監修

安田 哲

一般社団法人 日本速読解力協会 理事

約20年間にわたり首都圏大手進学塾の現場の最前線で、英語・国語を中心に指導。中学受験・高校受験の難関校への多数の合格者を輩出。科目の内容の指導だけでなく、家庭学習管理、生徒・保護者の皆様との面談を多数行う。大学院では言語学を専攻、英語以外の言語に関しても幅広い知識を有する。

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