小学生でも百人一首は楽しめる!遊び方や覚え方をご紹介
公開日:2023.12.13
最終更新日:2023.12.08
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お正月など、たくさんの人たちと集まったときに百人一首で遊んだ人もいるのではないでしょうか。
なんとなく難しいイメージがありますが、遊び方さえ覚えれば小学生でも楽しむことができます。
百人一首を楽しく覚えるコツやおすすめの本をご紹介します。
目次
百人一首について
百人一首とは?
百人一首とは、時代を代表する有名な歌人100人の和歌を一人一首ずつ選んで作った歌集のことです。
和歌とは「五・七・五・七・七」のリズムで成り立つ、四季や恋愛などをテーマにして表現した短歌です。
鎌倉時代の歌人である藤原定家が選んだ歌集「小倉百人一首」が有名で、一般的に百人一首は「小倉百人一首」のことを言います。
藤原定家が京都の小倉山にある別荘の屏風に書き写したことから「小倉百人一首」と呼ばれています。
百人一首の歴史
百人一首はカルタから始まったとされていますが、カルタ自体は平安時代の貴族遊びのひとつである「貝合わせ」が発祥だと言われています。
「貝合わせ」は、蛤の形や大きさ、色合いなどをもとに歌を詠んで競い合うという遊びで、「貝合わせ」から「歌貝」という遊びに発展していきます。
この「歌貝」は、貝の形をした札が上の句と下の句で準備されており、「並べられている下の句の札を、詠まれた上の句を聞いて取る」という遊び方でした。
百人一首やカルタにとても似ていますね。
このように百人一首の歴史はとても古いのですが、市民の中で遊びとして行われるようになったのは、安政の頃(1855年~1860年)だと言われています。
百人一首の遊び方
基本的なルール
短歌は「五七五」が書かれた上の句と「七七」が書かれた下の句に分かれています。
百人一首の札は読み札と取り札があり、読み札には和歌 が全て書かれており、取り札には下の句がひらがなで書かれています。
読み手と呼ばれる読み札を読み上げる人が読み札を上の句から読み上げ、それを聞いた取り手が取り札を見つけます。
もし読み手が歌を読み上げても取り手が札を見つけられていないときは、読み手は取り手が正しい札を取るまで下の句を読み上げます。
百人一首のいろいろな遊び方
初心者におすすめ 散らし取り
散らし取りとは、100枚の取り札を無造作に広げて、読み手が読み上げた読み札を聞いて札を取っていくという遊び方です。
散らし取りはカルタの遊び方と似ているので、特に百人一首初心者の方は挑戦しやすいでしょう。
散らし取りでは和歌を覚えている方が早く取り札を見つけることができるので、「これから和歌を覚えたい」と思っている人にもおすすめの遊び方です。
年齢関係なく遊べる 坊主めくり
坊主めくりとは、絵が描かれている読み札だけを使って、描かれた絵を見ながら遊んでいく方法です。
読み札を裏向きにして積んで、順番に札を一枚ずつとっていきます。殿が描かれた札を取った場合は札をもらうことができ、僧侶(遊びの中では坊主と呼ばれています)の札を取った場合は手持ちの札を全て手放さなければいけません。さらに、姫が描かれた札を取ったときは、他の人が手放した札を自分の札としてもらうことができます。
読み札がすべてなくなったときに、札の数が一番多い人が勝ちです。
ルールも難しくなく、絵だけで判断することができるので、年齢に関係なく遊ぶことができます。
ここにあげたルール以外の遊び方もあるようです。百人一首に親しむきっかけとして遊んでみるのもいいですね。
百人一首を楽しく覚える方法
アプリを活用する
読み札を読み上げるCDが付属している百人一首も多く発売されていますが、スマートフォンやタブレットにインストールできるアプリもリリースされています。
読み上げ機能はもちろん、シャッフル機能や読み札の順番を変えることができるなど、いろいろとアレンジできる機能もついています。
自分のペースで覚えられるので、おすすめです。
マンガで覚える
百人一首の内容自体が難しいと感じてしまうことも多いですが、百人一首を題材にしたマンガだと視覚的にもイメージがわきやすい上、内容もわかりやすく解説されています。
比較的スムーズに歌の内容をインプットしやすいので、小学生におすすめの方法です。
歴史が好きなら歌番号や年代順に覚えてみる
百人一首には歌番号というものが振られており、その番号順に覚えると飛鳥時代、奈良時代、平安時代、鎌倉時代と年代順に進んでいきます。
紀貫之や紫式部、清少納言といった有名な歌人の句も出てくるので歴史の勉強になりますし、さらに歴史好きだと楽しく覚えられます。
親子で声に出してクイズ合戦
暗記は「声に出して耳から聞く」ことが一番良い方法だと言われています。
九九を覚えるように百人一首も声に出して暗記すると、特に短歌はリズミカルなので、すっと頭に入ってくるでしょう。
また、上の句を読んで下の句を答えるというクイズを親子でやってみるのも効果的ですね。
上述したアプリを活用して、下の句をいかに早く答えるかというのを競うのも良いでしょう。
百人一首に関するおすすめの本をご紹介
マンガでわかる!10才までに覚えたい百人一首
監修:高濱正伸・吉海直人
「小倉百人一首」をマンガで解説した本。
和歌の内容や作者の紹介、時代背景、文法、語句の意味などがマンガで楽しく理解できます。
和歌は、決まり字のゴロ合わせでスラスラ覚えられます。
かるたに勝てる!暗記ポスターつき。
引用:永岡書店公式ホームページ
ドラえもんの国語おもしろ攻略 百人一首で楽しもう
原作:藤子・F・不二雄
監修:進学教室 浜学園
画:三谷幸広
指導:佐藤友樹
ドラえもんの漫画で、ドラえもんのキャラクターたちとともに楽しく学びながら、百人一首の素早い取り方の方法や、歴史的背景なども伝授。
ゲーム的な楽しさとともに、古典の世界に遊ぶ楽しさを同時に身につけていきます。
参考:小学館公式ホームページ
齋藤孝の声に出して書いておぼえる百人一首ドリル
著:齋藤孝
「音読→意味を知る→なぞり書き」の3ステップで百人一首がどんどんおぼえられる!
日本語名人・齋藤孝先生の語彙力アップドリル!
和歌の内容を、現代におきかえたイラスト付きで、楽しみながら百人一首がおぼえられます。
参考:幻冬舎公式ホームページ
まとめ
百人一首で記憶力と集中力を身につけよう
- 百人一首は藤原定家が選んだ歌集「小倉百人一首」が有名
- 百人一首には初心者や年齢関係なく遊べる方法もある
- 和歌を覚えながら和歌の歴史背景や歌人を知ることができる
百人一首は和歌なのでなんとなく難しいと思ってしまいがちですが、初心者におすすめの遊び方がありますし、百人一首が解説されたマンガも多く出ています。歴史に興味が湧くかもしれませんし、古文の学習の際に役立つ知識も身につくことでしょう。
お友達と楽しく遊ぶのはもちろんですが、長期休みなどで家族と過ごす時間が多くなる機会に、家族で楽しく遊んでみるのもいいですね。
関連キーワード
畳の上の格闘技!競技かるた
百人一首と聞いてイメージする人が多いのが競技かるたではないでしょうか。「ちはやふる」という競技かるたを題材にした漫画もとても有名ですよね。
対戦は一対一です。それぞれが取り札100枚の中から無作為に25枚ずつ選び、自分の前(「自陣」と呼ぶ)に並べます。
読手が読む短歌の上の句を聞き、相手より先に札を取ります。「相手陣」の札を取った場合は、自陣の任意の札を相手陣に送ります。
そうして自陣の札がなくなった選手が勝ちとなります。
しかし、相手に勝つためには自分に有利な札の配置、試合の経過と共に変化する「決まり字」の暗記、読手の声に瞬時に反応する研ぎ澄まされた神経と判断力、札を取る俊敏でしなやかな体の動きなど様々な能力が求められます。
知力に加えて日々の鍛錬と経験によって培われたメンタル&フィジカル両面の総合力で勝敗を決する、それが「競技かるた」です。
引用:一般社団法人全日本かるた協会公式ホームページ