英検®がリニューアル!問題形式の変更点や対策はどうする?

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2023年7月、日本英語検定協会より、実用英語技能検定(英検®)の問題形式を一部リニューアルすることが発表されました。

入試でも一部点数加算や受験資格となることから、受験生には馴染みのある英検®。
どう変わるのか、また現時点でできる対策について解説します。

主に変わるのはライティングと試験時間

日本英語検定協会は、リニューアル時期を2024年度予定としています(2023年7月時点)。
また、検定料や詳細については2023年9月中を目途に改めて案内するとしています。

リニューアル対象は3級~1級

今回のリニューアル対象は、3級以上の級(1級、準1級、2級、準2級、3級)としており、一部新たな形式での出題を加えるとしています。
今後変更が生じる場合もあるとしていますが、7月に発表されたリニューアルの内容は以下の通りです。

1級

一次試験 筆記試験 Reading 語彙問題・長文問題の設問数を一部削減
Writing 英作文問題の出題を1題から2題に増加
既存の「意見論述」の出題に加え、「要約」問題を出題
試験時間 変更なし(100分)
Listening 変更なし
二次試験 Speaking 変更なし

準1級

一次試験 筆記試験 Reading 語彙問題・長文問題の設問数を一部削減
Writing 英作文問題の出題を1題から2題に増加
既存の「意見論述」の出題に加え、「要約」問題を出題
試験時間 変更なし(90分)
Listening 変更なし
二次試験 Speaking 受験者自身の意見を問う質問に話題導入文を追加

2級

一次試験 筆記試験 Reading 語彙問題・長文問題の設問数を一部削減
Writing 英作文問題の出題を1題から2題に増加
既存の「意見論述」の出題に加え、「要約」問題を出題
試験時間 変更なし(85分)
Listening 変更なし
二次試験 Speaking 変更なし

準2級

一次試験 筆記試験 Reading 語彙問題・長文問題の設問数を一部削減
Writing 英作文問題の出題を1題から2題に増加
既存の「意見論述」の出題に加え、「Eメール」問題を出題
試験時間 時間延長(75→80分)
Listening 変更なし
二次試験 Speaking 変更なし

3級

一次試験 筆記試験 Reading 変更なし
Writing 英作文問題の出題を1題から2題に増加
既存の「意見論述」の出題に加え、「Eメール」問題を出題
試験時間 時間延長(50→65分)
Listening 変更なし
二次試験 Speaking 変更なし

参考:実用英語技能検定(英検)の問題形式 一部リニューアルのお知らせ|公益財団法人日本英語検定協会

ライティング(英作文)が1問→2問に!

ライティングについては、これまでそれぞれの級の出題数は1題でしたが、リニューアル後は2題に変更するとしています。
1級・準1級・2級では文章の要約問題、準2級・3級ではEメール問題を出題すると発表しています。

現状 リニューアル後
1級/準1級/2級 出題数 1題 2題
内容 意見論述 意見論述+要約
準2級/3級 出題数 1題 2題
内容 意見論述 意見論述+Eメール問題
日本英語検定協会のHPで紹介されている問題例では、解答方法も細かく指定されていて、しっかり読んで答える必要がありそうだなぁ

試験時間の変更

ライティング問題が増えることにより、試験時間も変更予定となっています。

現状 リニューアル後
準2級 75分 80分
3級 50分 65分
それぞれ5分~15分の延長になっているけれど、ライティング問題が2倍になっているから、よりスピーディーに解けるような対策が必要になるね

リーディング(準2級以上)・スピーキング(準1級のみ)の変更点

ライティングや試験時間の変更のほか、準2級以上ではリーディングの設問数一部削減、準1級のみスピーキングに話題導入文が追加されます。

準2級以上 リーディングの設問数一部削減
(語彙問題・長文問題について。試験時間調整のため)
準1級のみ スピーキングに話題導入文の追加
リーディングの設問数が一部削減にはなっているけれど…その分ライティングにかかる時間が見込まれるということだね

英検®がリニューアルするワケ

そもそもどうして英検®をリニューアルすることになったのでしょうか。

日本英語検定協会は、現行の学習指導要領の「外国語」で求められている『複数の技能を統合した言語活動の充実を図ること』や『知識や技能の習得だけでなく、コミュニケーションを行う目的や場面、状況等に応じた言語の運用を考える中で思考力、判断力、表現力の育成』を踏まえ、新しい英語能力観を反映するようリニューアルをする判断をした、と発表しています。

学習指導要領の変更で英語が大きく変わったことは話題になったけど、英検®でも新しい英語能力観を取り入れた出題形式にリニューアルするべきと判断されたんだね!

速ドッグロボ

新しい英検®対策は何をするべき!?

今回、3級以上の級でライティング問題が追加されることが主な変更ですが、リニューアル前の現時点では、どのような対策ができるでしょうか?
リニューアル後の出題形式や問題構成は今後変更可能性があるとしていますが、これまでの対策をふまえて検討してみましょう。

さまざまなジャンルの英文に触れておく

今の時点で対策できることとして、さまざまなジャンルの英文に触れておくことです。
そうすることで、知識が豊富になり、新しい出題形式である要約にも役立てることができるでしょう。
さらに、多くの英文に触れることで正しい英文が知識として頭に入り、英作文にも役立ちます。

引き続き、既存の長文対策などでさまざまなジャンルの英文に慣れておくのが良いでしょう。

英語の処理能力を鍛える

リニューアルによって難易度が変わるかどうか現時点ではわかりませんが、現時点で準備できることは、長文をスピーディーに読むなど英語の処理能力を鍛えることです。

「まだ具体例がほとんどないのに、どう対策したら良いんだろう…」と悩む人も多いかもしれませんが、英語の処理能力を鍛えるために、リニューアルまでの期間も既存の教材を使ってしっかり準備しておきましょう。

試験時間が延びても処理能力は必要!

リーディングの設問数が一部削減されたり、試験時間が延長したりするからといって、受検者に余裕ができるというわけではありません。
ライティング問題が倍になることからもわかるように、英語の処理能力は今後も変わらず必要だと言えるでしょう。

まずはリニューアル前の合格を目指そう!

今の時期、特に現中2生、現高2生は、リニューアル前の2023年度内に希望級を取得するのがおすすめ!
受験学年に上がってから新しい対策に時間をかけるのではなく、既存の教材でしっかりと対策して受検できます。
今の出題内容に沿った確実な対策を行って、英語の処理能力も鍛えておきましょう。

今から使える!英検®対策におすすめの講座

これから英検®を受検しようと考えている人におすすめなのが、日本速脳速読協会の『速読聴英語講座』です。
既存の英検®の主に長文対策ができることはもちろん、1つのアプリ内でリーディング、リスニング対策が可能です。
一部のコンテンツはスマホでも使えるので、通学などのスキマ時間で、今からでもリニューアル前の受検対策が可能です!

日本速脳速読協会の「速読聴英語講座」

「速読聴英語講座」はCourseⅠ〜Ⅳと、入試・検定対策コースがあり、自分のレベルに合ったコースから受講できます。

リーディングトレーニングの内容

リーディングでは、意味の固まりごとに前から読み進める“スラッシュリーディング”の読み方を訓練し、読む時間の短縮を目指します。

リスニングトレーニングの内容

リスニングでは、最大2倍速で聴く「倍速トレーニング」を行い、聴き取る力を向上させます。

まとめ

リニューアル後の英検®では、より考える時間の確保が必要!
今のうちに長文をスピーディーに処理する能力を鍛えておこう!

  • リニューアル後の英検®ではライティング問題が1問→2問に増加する!
  • 引き続き長文対策は必須。英語の処理能力を鍛えて準備しよう
  • 現中2生・現高2生は、リニューアル前に取得するのがおすすめ

リニューアルによってライティング問題は単純に2倍になります。そのため現中2生、高2生は、受験学年になってから新しい対策に時間をかけるより、リニューアル前の今のうちに取得できるように対策を進めると良いでしょう。リニューアル後に受検する場合にも、既存の対策と合わせながら、さらに英語の処理能力を鍛えておきましょう。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。このコンテンツは、公益財団法人 日本英語検定協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。

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