速読にも種類がある!自分に合った速読の方法とは?

この記事は5547文字です。
約5分で読めたら読書速度1200文字/分。

速読に種類があるのはご存じですか?

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速読とWebページで検索してみると、色々な速読法が出てきます。
「結局速読って何なの?どういったトレーニングをするの?」と疑問に思うこともあるかも知れません。

色々な速読法がある中、速読の種類、それぞれのメリットデメリット、どういったトレーニングなのかをご紹介します。

速読とは?

速読とは文字通り「本などを速く読むこと」です。
では、速読の読み方は「どういった読み方なのか」は知っていますか?

「斜め読み」や「飛ばし読み」?
じっくり読むのは「精読」、対照的に「速読」は大雑把に読むこと? 
本の目次などを見て内容を把握したうえで、必要なところだけ読む読み方?
写真のようにパッと一瞬だけページ全体を見て内容が理解する読み方?

同じ「速読」とは言っても、どういった「読み方」をするのかは、速読法によって違います。

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一時、メディアなどでは話題性のある読み方が取り上げられることが多かったからでしょうか、速読をすれば普段の速度からすると驚くほど速く読める、その代わりに内容の理解度が浅くなってしまう…といった偏ったイメージがあるようです。
同時に、驚異的な速度のインパクトから限られた人しかできない特殊なスキルである、といった印象が強い方もいらっしゃるかも知れません。

同じ「速読」という名前でも、驚異的な速度で読める速読だけが速読ということではありません。
メディアなどのイメージが先行しているようなところもありますが、同じ速読であっても、内容をしっかり理解しながら速く読む速読法、特殊な人だけでなく誰もが実践できる速読法もありますが、そういった速読法があることを知らない人もまだ多いようです。

速読は、どんな種類があるの?

色々な速読法がありますが、「読み方」で大きく分けると以下のような違いがあります。 少しご紹介しましょう。

斜め読み、拾い読み、飛ばし読み

理解が浅くなってもOK、とにかく概要を素早くつかみたいという人に適しています。

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一言一句、理解できるまで目に留めることはせず、広い視野で文章を見てざっと読む読み方です。
目に入った箇所を流れるように見て、重要な用語がある部分があれば意識を向けながら、書いてあった内容の概要を把握します。
事前に題材や話の流れがどんなものか確認したり、出てくる用語に関する知識を得ておいたりすると、より把握しやすくなります。

ざっと読んでいるため、すべての内容が把握・理解できていない読み方です。
しかしそこまで詳細に把握・理解する必要がなければ、会議前に資料に目を通す、ビジネス書にとにかくたくさん目を通し必要なところだけをピックアップする、といった役立つシーンは多々あります。

※速読が「理解しながら読む」ことを前提とする場合、この読み方は「速読」に当てはまらないといった考え方があります。

フォトリーディング、1ページ読み

読書を効率的に行いたい、多量の情報収集を行いたい人に適しています。

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毎秒 1 ページを超えるスピードでページをめくり、写真を撮るように本の情報を脳に送り込む速読法です。
事前に読書の目的を明確にし、読む価値があるかどうかまで検討します。
一度にページ全体を眺めて本の全体像をつかみ、要点や必要な情報を自分自身に問いながら読み進めることで、必要な情報を効率的に取り出します。

毎秒1ページ、1ページを丸ごと見る…ということに少し抵抗があるといった人やそこまで速いスピードで読むことが日常的に必要かどうか疑問を持つ人がいらっしゃるかも知れません。
専門のトレーニングが必要であり、習得できる速度・期間は個人差が生じやすくなりますが、習得できれば内容を高速で理解できるようになります。

視読

普段本を読むときのような理解度を維持したまま、様々な文章を速く読みたい人に適しています。

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私たちは日常的に人の名前、地名、看板などを見るときに「文字を固まりとして捉え、意味を理解する」といったことを行っています。この普段行っている文字認識の力を高めます。
目の動きを円滑にし、固まりで捉える文字の認識範囲を広げます。
さらに高速で流れてくる文字を眺めてスピードに慣れさせ、脳の処理速度そのものを向上させます。

純粋な視読だけでは数十倍、数百倍に到達するのは難しく、目標速度は1.5倍~数倍程度となることが多いです。
ただ理解度を維持しているのでこれまでと同じように読書を楽しめ、学習や試験などにも役立てられるなど、数倍であっても様々なシーンで活用できます。

多様にある速読法も、よく調べてみると「読み方」ではこれらに当てはまるか、融合したような速読法が多くあることが分かります。
飛ばし読みのように見えて一部で視読を活用していたり、フォトリーディングや1ページ読みのように瞬間的に多量の文字を認識・理解する速読法においても、飛ばし読みや視読の読み方を取り入れて高速化を目指していたりします。

速読法によってトレーニングで習得できる読み方も異なりますし、目指せる速度や習得期間も違います。
まずは活用したいシーンを具体的にイメージしてみると必要な読み方が明確になります。
身につけたい読み方をふまえて、自分に合ったものを選ぶのが良いでしょう。

どうして速読の種類は色々あるの?

速読の種類が多様にあるのは、それぞれの団体が指導方法やトレーニング方法を研究して独自の速読法としているためです。

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速読は、読書(文字を目で追いかけて内容を理解する、いわゆる読む行為)が土台となっています。
そのため「眼の機能を高めて文字認識を円滑にする」「語彙や文法など読むための基礎知識」「集中する」「内容を記憶しながら読む」「読んだ内容を記憶に残してアウトプットする」といったことが速度にもちろん影響します。

まず、当たり前のことですが、目の機能が弱いと文字が追いかけづらく、認識しづらいです。速く読むどころか、読むこと自体が不安定である状態です。
他にも知らない国の言語を読むことができないのと同じように日本語でも最低限の語彙や文法を知らなければ文章を理解して読むことはできません。
さらに日本語で読めたとしても、集中していなければ内容は頭に入ってきませんし、話の内容を記憶していなければ登場人物や話の流れ、要点が分からなくなります。読んだ後に忘れてしまっては読んだ意味がありません。

速読の土台となる読む行為の部分も独自の指導方法やトレーニングの研究が重ねられ、眼の機能や呼吸法、記憶術、右脳開発など、今日の様々な速読の種類が存在する形となっているのです。

速読するとどんな文章でも読める?

難しい本が読める!?

速読ができたら、魔法のように知らなかった言葉の意味が急に分かる!といったことはありません。
外国語の文章を読むためには語彙や文法を学ぶのと同じく、日本語であっても難しい本、たとえば専門書などであれば文章内に出てくる用語の意味を知らなければ理解は困難となります。

基本的に読むために必要な知識となる単語・文法、教科知識や専門用語などはトレーニングと別で学習が必要となります。
知らない単語をじっと見てしまったり、文法を知らないことで意味が理解できずに文章を何度も読み返したりしていては、せっかく鍛えたスピードも十分に発揮できない…ということになります。

ただ、難しい本を読むために、速読のトレーニングすることの意義は大きいと言えます。
個人差はありますが、トレーニングすることで読むことに対する自信が生まれたり、語彙などの学習効率が上がって暗記がしやすくなったり、長文を読む心理的なハードルが下がったり、読む経験値が上がったことで前後の文脈から意味を類推できて文章が読みやすくなったり…色々な良い変化が期待できるからです。

読むことに対する自信が生まれ、色々な文章に触れて読書の楽しみを知り、語彙や知識を効率的に学べるようになり、長文に対する抵抗感が薄れていって、気が付いたら難しい文章が読めるようになっている…といった形で、ぜひ速読を役立てながら良いサイクルを作ってくださいね。

日本速脳速読協会の速読

日本速脳速読協会の速読は、「視読」の読み方をトレーニングします。
視読は、理解度を維持した状態で速度が向上するので、普段の読書や試験などにも活用できる読み方です。

読む土台として目の動きをスムーズにすることや、認識速度を高められるように高速に流れる文章を見ることなどを行います。
お子さまでも取り組みやすいよう、シンプルで分かりやすいトレーニング、様々な読書速度に対応したトレーニング展開、そして楽しく続けていただけるように様々な工夫がされています。
ではトレーニングの一部をご紹介しましょう。

読書速度計測

読書速度計測
読書速度計測-結果

毎回のトレーニングで計測します。
読みやすい文章で計測し、現在発揮できる速読力を確認します。
その日に他の速読トレーニングが展開する速度の基準にもなります。

なぞり読み

なぞり読みトレーニングひらがな

一文字一文字をなぞるように文字が流れます。
まず自身に合った速度で流れ、その後に速度が変化します。
眼の移動を加速させ、黙読(音読)を緩和します。
速読の読み方の基礎となるトレーニングです。

固定読み

文字が固まりで表示されます。
文字を固まりで認識することは日常でも行っていますので(看板や見知った人名・地名など)認識できる範囲を広げ、読書時に活かせるようにします。

移動読み

移動読みトレーニングひらがな

「視読」と呼ばれる速読の読み方をトレーニングします。
実際の読書のときに実践する読み方です。
なぞり読み・固定読みから徐々にトレーニングを変化させ、無理なく移動読みに移行させます。

速解力チェック

短文の文章理解度と速度のバランスを確認します。
理解が浅い場合は読むスピードを少し遅くして理解できる速さを確認し、逆に理解が十分できている場合はスピードを意識して速めるようにトレーニングします。
読み終わると文章が消えて選択肢のみが表示されるので、短期記憶力などの能力も併せて鍛えます。

読解力トレーニング

鍛えた速度がより発揮できるよう、読解の基礎となるトレーニングも搭載しています。

解くトレーニング

理解力・全体把握力

文章理解力や全体把握力を確認します。
内容に対するいくつかの設問に解答したり、自然な文章の流れになるように段落を並び替えたりします。
安定して正解するようになれば、速度を意識して行い速さと正確さを鍛えます。

基礎的読解力

基礎的読解力

文章を読み解く上で必要な技能(係り受け、指示語・照応、同義文、 推理・推論、図表の読解、定義と具体例)を体系的にトレーニングし現在の実力を確認します。
読解力の基礎となります。

成果確認で実力をチェック

定期的に初見文で速読力や各能力のバランスなどを確認します。
普段のトレーニングで鍛えた力が客観的に評価されることで、現在の実力を確認し、今後のトレーニングや学習などに活かしていきます。

速読解力検定〔速解力〕

速く正確に読み解く力(速読力)を総合的に測る検定です。
全体把握力、記憶力、思考力、理解力、検索力という読解の基礎力を数値化し、細かく分析した結果が出ます。
さらに条件を満たすと級または段が認定され、昇級・昇段するごとに認定書が発行されます。
認定された級・段は履歴書にも書くことが可能です。

速読解力検定〔基礎的読解力〕

6つ(係り受け、指示語・照応、同義文、 推理・推論、図表の読解、定義と具体例)に分類された読解の技能カテゴリから得意・不得意を把握します。
受検結果で出てきた成績の傾向などから読解の課題を知ることができ、今後の学習の取り組み方などを見直すことができます。

※受検推奨学年:小学校高学年以上

まとめ

  • 独自の指導方法が研究された背景から、速読の種類は多様にある
  • 活用目的に応じて速読法を選ぶのがよい
  • 日本速脳速読協会の速読は、理解度を維持した状態で速く読む「視読」の読み方

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