大学入学共通テストプレテスト分析【英語】Word数1000語アップ、リスニングも重視

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現在の大学入試センター試験に代わり、2021年1月から大学入学共通テストが実施されます(以下共通テスト)。

第二回となる試行調査が2018年11月に行われ、配点も初公開されました。
試行調査段階ですが、リスニングがリーディングと同じ100点満点になっており、「バランスの取れた指導・学習をすべし」という国のメッセージがうかがえます。

今回は試行調査を分析し、今後求められる力とその対策を考えます。

大学入学共通テスト リーディング問題を分析

センター試験より約1000語アップ!複数選択問題の正答率は8.7%

身近なものをテーマに、ディベートやプレゼンの準備を想定した出題をするなど、「実際的・実用的」な設定も目立ちます。
また、「思考力・判断力・表現力」を測るべく複数の情報を照らし合わせる問題も増えています。さらに正解が1つだけでない問題の正答率は8.7%でした。
これらは新しい学習指導要領を反映した内容と言えるでしょう。

センター試験との違い

  • 総単語数が約4200語→約5400語にアップ
  • 発音、文法、語法問題がなく、すべて長文読解に
  • 設問がすべて英語
  • 日本語注釈が存在しない
  • 答えが1つとは限らない問題が出題

センター試験と同じ試験時間ですが、語数が1.3倍になり、かつすべて長文読解なので、今まで以上に速解力が求められます。
選択肢には文章と同じ表現が使われておらず、全体の文脈や内容を把握し、それらを自分でしっかり整理できる力が必要となります。

※CEFR=ヨーロッパ言語共通参照枠

大学入学共通テスト リスニング問題の分析

読み上げ1回で聞き取るリスニング力が求められる

センター試験との違い

  • 読み上げが1分間に120語→140語にアップ
  • 読み上げ1回のパターンも出題
  • 話者数が増加(センター試験は最大3人)
  • 答えが1つとは限らない問題が出題
  • アメリカ英語だけでなくイギリス英語や非母国語話者の英語も混じる

※令和3年実施(初回実施)では第3問から、読み上げは1回となります(大学入試センターより

センター試験と比べて読み上げスピードが速くなっているのに加え、問題数の半分以上が英語の読み上げ1回だけとなっています。問題も、聞き取った英文をもとに整理・判断する必要のあるものばかりなので、全体の文脈・内容を1回で理解できる集中力が重要です。

※CEFR=ヨーロッパ言語共通参照枠

[総評]難易度が上り情報処理力が求められる

大学入学共通テストでは英検®2級レベル以上が求められる

リーディング・リスニングともに情報化社会という時代背景から、大量かつ多様な情報を速く正確に処理する力に重きを置かれています。
問題の内容もAIや男女の雇用に関するものなど昨今の社会問題も扱われるので、時事情報にアンテナを張っておくこともポイントとなります。

リーディング・リスニングともに英検®2級以上の難易度の問題が全体の半分を超えており、日本の高校卒業時の英検®準2級取得率が2018年3月時点で39.3%ということから考えても、早期から訓練を重ねておく必要があります。

[対策]演習量を増やして早めの英語長文&リスニング対策をしよう

単語、文法の学習と並行して、演習問題に早めに取り組む

対策としては、普段から「読む」「聞く」ともに多様な英文に触れておき、どんな出題をされても動じないことが大切です。

英語の単語や文法を覚えることも大切ですが、同時に文章を読んだり聞いたりする演習も重要です。「まずは単語を覚えてから」…ではなく、レベルに合った文章で早めの演習対策を始めてください。
長文読解や、リスニングの対策にはスピード対策も求められます。演習量を増やすことで、英語を日本語の順に直して読む方法ではなく、前から順に読めるようになり、読む・聴くスピードのアップが期待できます。

日本速脳速読協会の「速読聴英語トレーニング」

レベルにあった読む・聴くトレーニングを行うことが出来ます。まずは自分の読む・聴くスピードを知り、対策を行いましょう。

まとめ

現中1~高1は新学習指導要領を意識し、習慣的に英語に触れる必要あり!

  • 知識を使いこなすのは大前提。さらに処理能力を求める内容に大幅シフト
  • 英検2級合格レベルの実力が必須
  • リーディングは全て長文読解問題になる
  • リスニングが100点満点になり、1回の読み上げ問題もある
  • 「読む」「聞く」ともに日頃から多種多様な英語に触れておくことが重要

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

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