大学入学共通テストプレテスト分析【国語】 複数マーク式問題が出題
公開日:2019.02.08
最終更新日:2021.09.09
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現在の大学入試センター試験に代わり、2021年1月から大学入学共通テストが実施されます(以下共通テスト)。
共通テスト本番を想定して行われた試行調査は、平成29年から2回行われました。その内容を分析し、今後求められる力とその対策を考えます。
※2020年8月 記述問題見送りにより追記
第1回・第2回の構成はほぼ同じ、記述問題・複数マークが出題
100分の試験で5段階評価の記述式問題小問3題プラス、マーク大問4題という構成に変化はありませんでした。また配点も、マーク200点満点、記述式問題の評価は5段階評価という点も同様でした。
複数マークを選択する問題が試験的に出題され、第1回の正答率が低かったため第2回では難易度を調整している様子が見られます。
大学入試センターより
記述問題は導入見送り、それでも読解力が必要
記述問題が出題される予定でしたが、採点の正確性などにより記述問題は導入見送りとなりました。しかし、記述問題でみられたような複数の資料を読み解く問題が出題されると予想されるため、「出題されないからいいや」と思わずに記述問題にも目を通しておきましょう。
センター試験との違い
記述式問題の導入に伴い大問が4題→5題、試験時間が80分→100分に20~30字程度、40~50字程度、80~120字程度を記述する問題がそれぞれ1問ずつ出題- 複数マークする問題が出題
- 異なる形式で書かれた複数の文章や資料などを提示
- 「実用的な文章」の問題が出題
- 文章量は、H29年度はセンター試験と同程度の約22,100字、H30年度は約19,800字
複数マーク問題では、いくつ選ぶかわからない問題では正答率14.7%、いくつ選ぶかわかっている問題では正答率44.3%でした。
普段から「読解力」問題に取り組んでいますか?まずは自分の「読解力」がどのくらいか知ることも大切です。
- 関連記事:あなたの読解力をテスト!読み解く力を鍛える方法とは? かんたんな読解力問題はこちらの記事で挑戦できます。
教科を問わず出題される「実用的な文章」
学習指導要領では、実用的な文章の例を挙げており、現に過去2回の試行調査ではポスターや生徒会規約、法令文などが出題されているため、今後も例に挙げられているような文章が出題される可能性は高いと考えられます。
国語に限らず、理科や社会科など教科の枠を超えて、さまざまな資料や図表・法令文など、多様な形式の文章に触れておきましょう。
実用的な文章の例
- 新聞や広報誌など報道や広報の文章
- 案内、紹介、連絡、依頼などの文章や手紙
- 会議や裁判などの記録、報告書、説明書、企画書、提案書などの実務的な文章
- 法令文
- キャッチフレーズや宣伝の文章
- インターネット上の様々な文章や電子メール
- 概念図や様式図・地図・表・グラフなどの 様々な種類の図表や写真を伴う文章
※文部科学省 高等学校学習指導要領解説 国語編 平成30年7月
総評:複数の資料や設問の意図を読み解く読解力が必要
現代文・古典・漢文ともに、ほぼ全ての設問で、複数の文章や資料・図表などから必要な情報を読み取り、それらを組み合わせて解答を導き出す形式で出題されています。これは、新しい学習指導要領の「育成すべき資質・能力の三つの柱」の一つである、「思考力・判断力・表現力」を測るための問題といえます。
受検生アンケートでも多くの生徒が時間が短い、資料が多いと回答しているように、どのような形式で出題されても対応できるよう、解答するための時間を十分に確保しておく必要があります。それと同時に、複数の文章や資料から必要な情報をすばやく読みとり整理する力、思考力も求められます。
共通テストに向けた対策として、読解力をしっかりと養いつつ、複数の文章や資料を関連づけて解答する問題に慣れておくことが必要です。
また、記述問題は見送られましたが、「2つの文章の内容を整理したノートの空欄に当てはまる内容を記述する問題」や「提示された条件を満たすように記述する問題」など、国立二次や私大入試でもあまりない出題形式が見られます。「設問の意図を正しく読み解く力」や語彙力・表現力を身に付けておく必要があります。
まとめ
読解力、思考力を鍛え、正確に読解するための時間を確保
- 読解・思考に余裕を持てるよう、十分な解答時間の確保を行う必要がある
- 必要な情報をすばやく読みとり整理する力、思考力が求められる
- 読解力を問われる問題に取り組む
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